工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 地産材の製材に立会い

過日伐採した杉の木の製材で、仕事の調整をしながら製材所に通っています。
子供っぽい表現とは思いますが…真直ぐな丸太の製材では役物の美しい木肌に喜び、曲(くせ)の有る丸太の製材では木取りの判断をする瞬間が実に楽しいです「^^」

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《ベテランオペレーターSさん》
製材するSさんはベテランのオペレーターで、木取りの際行ういろいろな打ち合わせは為に成ります。亡父から聞き憶えている「木の癖を読む、節や腐り具合の判断、まずどこから平らな面を付けてゆくか」…といった様々な事をSさんと調整しつつ、私自身の提案も混ぜあと数日通う予定です。
ここで製材した木材は、弊社の工場の内外で自然乾燥することになります。
春風による自然乾燥といった所でしょうか「^^」>

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《一区切り時の私/撮影:Sさん》

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《製材前の様子》

 

佐渡 小さな木造建築/外壁で表情を出す

朝から春らしく晴れ渡った佐渡島
実に気分が良いものです。
「外壁で表情を出す」
現場では恵まれた晴れ間の中、外部作業がはかどり良く進んでいます。
外壁は、杉板の目板張りにウッドロングエコという仕様。(自然な仕上がりが私は好きです。)
外壁が張り進むと(これまでボリューム感だけだった建物に)豊かな表情が付く感じがします。目板による外壁の凹凸が効いています。

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《建物が見下ろせる場所から》
この建物は、緑の多い場所で控えめに建っています。手前のキウイ棚もこの場所から見ると施工中の小屋と似合ってますね。

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下の写真は今朝のもので、加茂湖畔に建つ牡蠣小屋と大佐渡の山々です。
晴れた早朝は、空が赤らみ大佐渡の山々や水面を淡く色づけます。

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新潟 燃費半分で暮らせたらイイネ!

春に入り暖かくなった事で、ヒートショックという言葉を気に止める人もかなり少なくなった、と思います。ですが今日私は「燃費半分で暮らす家」と銘打った研修会に参加して来ました。

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燃費半分で暮らす家とは、暖房エネルギーが半分で済むだけでなく、夏の冷房負荷も抑える家の事です。

話はちょっとそれますが、ブログをご覧の皆さんも《リッター〇〇キロ》という車のCMを見た事はあると思います。私は住宅でも同様に、燃費の良いものを作り続け様と思っています。

そこで大事な技術は「断熱と気密性の向上」です。

ブログですので専門的な事を長々と書きませんが、これまで私たちが取り組んできた断熱改修(断熱リノベーション)も意義は同じもので、お客様からたいへん喜んで頂きました。

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家の燃費が向上する事は、室内環境の温度ムラを抑え住まい手の健康維持に貢献します。新築に限らず改修でも私はオススメします。きっとイイネ!と実感できますよ(^^)

新潟 丈夫な骨組みで家づくりを

 過日、新潟で行われたセミナーに参加してきました。
講師は、構造設計を専門にしている新潟出身の1級建築士で、構造計算の実務だけでなく木造の耐震や地盤について深く研究されている佐藤実氏。「楽しくわかる!木構造入門(エクスナレッジ刊)」といった著書も有ります。(右リンクは、Amazonのアドレスです。Amazon CAPTCHA)以下、やや専門的で長文になりますが、ご一読いただけたら幸いです。
 また今晩9時からのNHKスペシャルでは「大地震 あなたの家はどうなる? ~見えてきた”地盤リスク”~」という番組も放送され、熊本地震の被害を地盤の解析から建物被害を振り返りますので、これから家づくりをご検討される方にはご覧になる事をお勧めします。

www6.nhk.or.jp

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《講演中の佐藤実氏》
 
 さて今回私は、佐藤氏が主宰する「構造塾」の一環で『熊本地震 現地解体調査 報告セミナー」に参加したわけですが、家づくりする立場の一人として身が引き締まり大変ためになる内容でした。(大地震の被災状況は悲惨ですが、それを調査し得た情報をもとにした方策は今後に役立つと思いセミナーに参加しました。)
 御存知のように熊本地震は、震度7が2回続き、建築関係者でも想定を超えた地震で、建物倒壊レベルでは東北大震災を超える地震でした。(東北大震災では、地震そのものによる倒壊よりも、津波による倒壊が被災規模を拡大させたためです。)彼は、その地震直後から現地に入り調査をし続け、木造住宅の倒壊のメカニズムを研究し続けています。

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《倒壊物件の解体調査時の写真/セミナー時の資料より転載》この解体調査時には、多くの方が全国から集まりました。
「築年数の浅い木造住宅の倒壊」
木造住宅は、(壁量計算や四分割法、N値計算といった)簡易チェックをする事で、綿密な構造計算までしなくても良い事になっています。ところが熊本地震では簡易チェックをしていた築年数の浅い木造住宅でも倒壊に至りました。
倒壊の原因として考えられることは…
①一階の壁量が法の規定範囲程度だった。(更に大きくする必要が有った。)
②直下率(上下階の柱や壁が出来るだけ一致する割合)が低い建物だった。
③水平構面(二階床とその下の構造材の一体化)が弱かった。
・・・と佐藤氏は解説します。(当時報道された、軟弱地盤だけが倒壊の原因ではない点が重要です)

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《築年数の浅い木造住宅の破断状況/セミナー時の資料より転載》数百年に一度の地震と言われていますが、最新の建築構造金物を使用していても写真の様な状況になりました。こうした原因も、先述の3点が倒壊の引き金となっていました。
地震被害の無い木造住宅が在った」
 一方あの地震の際にも、軽微な修繕や被害無しという木造住宅もありました。その住宅は、先述の築年数の浅い建物とほとんど変わり無い時期に建てられたものでした。
 結論を先に述べますと被害の無かった木造住宅は、通常の法範囲よりも更に強度を高めた作りをしていました。専門的になりますが、倒壊しなかった住宅は《耐震等級3》で、築年数の浅い倒壊住宅は《耐震等級1》でした。
 佐藤氏は「(地震時に)命は守るが住めない耐震等級1の住宅ではなく、命も財産も守り、なお住み続けることができる耐震等級3の住宅にした方が良い」と全国のセミナーで唱え続けています。
※耐震等級は3段階有り、等級1は現在の建築基準法の範囲内で、等級1の1.25倍が等級2、等級1の1.5倍が等級3という取扱いになっています。
「今後私どものつくる家について」
 まずこれまで以上に丈夫な新築木造住宅を作る様にします。具体的には、平面計画によりますが、現在の法基準の1.25倍から2倍にする事が望ましいと考えます。(その際は有償になりますが、構造設計の専門家による検討と構造計算も行います。)
弊社は、より安全で、より快適な家づくりに精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

佐渡 小さな木造建物/小屋だけど、形もこだわる

目に飛び込んでくる花々だけでなく、気温がようやく春らしくなってきた感じのする佐渡島です。
「小屋だけど、形もこだわる」
 昨年、私どもは古材をリユースした納屋の新築をさせて頂きました。その際もお客様とのやり取りで建物の形が決まって行きました。
 そして今回の建物も用途は(物置)小屋ですが、私の提案をもとにお客様との色々なやり取りで建物の大きさや形を決めました。
(住宅の設計ほどではないにしても)小屋だから…という勝手な思い込みや決めつけをせず『お客様にとって望ましい建物を作りだそう』と考えてきた結果です。「^^」

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 建物の形は、長方形で片流れの屋根、というシンプルな形にしています。ただし屋根勾配を緩くし建物全体が高くなり過ぎない様配慮した矩計(かなばかり)寸法にしています。また道路から見える角には、出入り口の雨雪対策として木製の庇を取り付け、建物の見え掛りの重心を低く抑えようとしています。(庇も機能だけでなく、建物の良いアクセントになります。)今後作業が進み外壁が張られるとまた印象は変わってきますので、その時が楽しみです。

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佐渡 手続きを待つよりも安全確保を優先/バリアフリー床の設置

10年ほど前に外壁改修でお世話になった御客様が体調を崩され家で静養しておりトイレ改修を検討している…と介護保険関連の方から聞き、昨日急ぎ駆けつけた。
築40年で中廊下をもつこの住宅では、廊下から各部屋に入る際6センチの段差がある。お客様は自立歩行できるが、その段差で足を滑らせ転倒する時もある、と聞く。
「手続きを待つよりも安全確保を優先」
今回のトイレ改修は介護保険の助成手続きなどが済んだ後じゃないと着手できない。(仮に計画図や工事見積りを直ぐ作成しても、ケアマネージャーと自治体担当のやり取りだけでもかなりの時間が経過してしまう。)とはいえ、その手続きを進めている期間中に転倒しケガでもしたら大変である。
そこで私の思い付きではあるが、早急に中廊下の一部バリアフリー化する提案をさせて頂き、昨晩了承を得た。
「本格的な仮設床!?」
そして本日、中廊下の内頻繁に使う範囲をバリアフリー床にした。(大工スタッフ2名による半日未満の作業で完了。)
仕様は木材下地にラワン構造用合板仕上げ、といたってシンプルな作りにし、時間を見てクッションフロアーを貼る事も可能な状態にしている。(お客様の体調も踏まえ、作業を早く完了する事も意識した結果である。)
まずはこの対応で段差も無くなりお客様が転倒する可能性は低くなった。また仮設の様な仕様だが、これから15年ぐらいは十分使用可能だと思う。
お客様ご夫妻は安全確保ができたことで、安堵された様子だった。
これで自分もホッとできる。

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佐渡 亡夫が残した板を使って/納屋の外壁修繕依頼

昨年ちょっとした仕事ではじめてお世話になった方から連絡を頂き伺ってきました。
ご相談は「夫が残した板を使って、納屋の外壁を修繕して欲しい」という内容。
昨年の仕事で、弊社大工職人の技量を見込んでのご依頼でもありました。
ありがたいことです。
お母さんのお気持ちをくみ、真摯に現場を取り組ませて頂きます。

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材料は自然乾燥した杉板でした。
保存状態も良かったので、加工すれば十分使えます。

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