工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 ひょうご屋リノベ/明日からシーズン2

久しぶりに蒸し暑い感じのした日中の佐渡島です。
「明日からシーズン2」
シェア・スペース「ひょうご屋」の第2期改修工事が明日から始まるのに合わせ、地元大工職人のHさんと直前ミーティングを行いました。(Hさんはベテランで技術力のある大工さんで、第1期でもお世話になった方です。)

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現場を綺麗に仕上げる(納まり良くする)には「こう仕上げたい!そのためには、この辺が要(ポイント)になりそう。」という意思疎通を各職方と十分にしておく必要が有りますので、今回の機会をもちました。
Hさんとやり取りも上手くゆきましたので、明日からのスタートも良い形で進みそうです「^^」

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《ひょうご屋前の日常光景》

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佐渡 佐渡ヘリテージマネージャー協会を設立

初夏っぽい陽射しが眩しいけれど、爽やかに風吹く佐渡島です。
また今週も晴れ間が続く様なので、仕事もはかどり良く進むと思います。

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佐渡の古い建物に対する私的想い」
20年余り前にUターンしてきた私は、当時父が運営していた川上工務店で家づくり(家直し)の仕事をしつつも、佐渡の古い民家や町屋の調査や活用も考えてゆきたいと思い続けていました。そんな折、新潟県建築士会が主催した「歴史的建造物専門家(ヘリテージマネージャー:以下ヘリマネ)養成講座」の機会に恵まれ、修了したのが一昨年の11月半ばでした。
そして昨年、島内全域を対象にした15カ所の近代和風建造物の調査や、相川・西三川の重要文化的景観保存地区に在る建物調査にも他のヘリマネ※とともに取り組んできました。
そうした活動をしながらも、佐渡のヘリマネの知識や経験、考え方を良い形でとりまとめ、佐渡島に残る古い建物を今後に活かして行きたい、と想いは強くなってゆきました。(※私を含め佐渡島には新潟県認定のヘリマネが10名居ます。)

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佐渡ヘリテージマネージャー協会を設立
その後もあれこれ考えながら、想いを同じくするヘリマネ仲間と共にいろいろ話し合い、先だってこの協会を設立しました。(Iさん、Kさん、本当にありがとうございます)
協会では、古い建物の歴史的価値の裏付け調査や報告、その修繕方法などの検討に加え、古民家や町屋の再活用の提案も取り組む予定です。※注
民家に限らず古い木造建造物も多く残り、世界遺産を目指している佐渡島で、我々の活動はきっと意味を成すと信じ仲間と共に頑張ってみようと思います。
それでは、よろしくお願い申し上げます。

佐渡ヘリテージマネージャー協会 会長/川上巧=

 ※注:専門家の集まる組織でもあり、協会の活動は有料で請け負う事になります。

また、この活動に関しては、このブログで紹介する機会もあると思いますが、川上工務店とは別のセッションだと御理解下さい。

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佐渡 御隠居部屋の新築/もしや、この古材は(驚)!

昨日の小雨もあがり、初夏の清々しい感じで朝を迎えた本日の佐渡島です。
陽射しはきつくなっていますが、風が心地よいですね。
「土蔵の解体直前に」

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《写真右手に見えるのが栗の古材(土蔵の棟木)》
今回新築した場所には、(隣り合わせる建物に、はさまれるような状態で)土蔵が建っていました。お客様が直接発注した土蔵解体工事の直前に中を見せてもらった所…柱や梁と呼ぶ構造材に栗の木が多く使われていたこともあり、何とか古材を使えないかと考え、お客様への提案や解体業者への理解を行い、土蔵の棟木だった栗の木だけが今回使える事になりました。そして大きさが30センチ×36センチのものでしたので、大黒柱としてリユースする事にしました。
「もしや、この古材は(驚)!」
実は、この建物の建つ敷地には元禄14年(1701年)に建てられた木造建築物が在り、今回解体した土蔵は「その建物に付属して建てられていたであろう」と建て方の後でお客様からお聞きしました。
正直、口をしばし開けるほど驚きました(* O *)/ その後の会話も「へぇー!」とか「ほぉー!」としか受け答えしていなかったような気がします(苦笑)
さて、元禄14年を検索したら、(今から316年前であり)赤穂浪士が討ち入りする前の年になります。
そんな古材だったとは!という2度目の驚きと同時に、私たちがここで元々使われていた古材をリユース(再活用)して新築できることを嬉しく思いました。
小さな範囲での新築ですが、この柱(元・棟木)を使ったことですでにこの新築部分のストーリーが生まれていた様です「^^」

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《最近読んだ古材に関する記事:新潟日報H29年5月10日より》
古い自宅を建て替え、新築を検討されている方々も、その解体時に出てくる古材を新しい住まいに再活用する様計画してみるのも良い事だと私は思いますし、ご相談に応じますのでよろしくお願いいたします「^^」/

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《初夏/植物の勢い》



佐渡 改修工事の現場/内・外両側で作業進む

老夫婦のご隠居部屋となる部分の建て方を終え、順調に進む現場。
筋交いや面材構造補強材などで骨組みを固めた後は、大工スタッフも内外に分かれ部屋の天井下地づくりや外壁張り作業を進めています。
外壁は、杉板目板張りの仕様です。最近はこの仕様をお客様からも喜んで頂いております。私も大好きなシンプルで長持ちする仕様です「^^」

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今日もはかどり良く、電気設備の配線に職方さんが登場。
決して広い現場ではないので、(私のイメージする)良いタイミングで協力業者が入ってくれるのはホント嬉しいですね。
また現場段取りをしている中、とにかくありがたいのは、晴れ間が続いている事。
陽射しは初夏を思わせるほどです。

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佐渡 建方後も順調/老夫婦のための増築

暑くも寒くも無い…心地良い晴れ間が続いています。
またここ数日は、夕暮れ時が何とも美しい佐渡島です。
「建方後も順調」
前半は既存部分の改修工事を進め、節目を見て同じ敷地で小規模の増築を行いました。
先日は建て方も無事終え、現在は構造の固めと外周りを進めています。
なおこの工事は、老夫婦のための生活空間を快適にすることが目的になっており、そこにこの家らしさを盛り込んでゆくつもりです。

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《建方翌日の一服時間》

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《屋根を葺き終え》
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《今日の夕暮れ/加茂湖橋にて》

 

佐渡 小さな木造建築/良い雰囲気のする小屋に

今日も汗ばむほどの陽気に恵まれた佐渡島
朝晩と日中の気温差で風邪ひかぬように思うこの頃です「^^」>
「良い雰囲気のする小屋に」
アップが遅くなりましたが、この小さな木造建築は過日無事竣工しました。
この建物の設計・施工では、今後の仕事・取り組みに向け私なりにコダワリいろいろ実践してきました。

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 まず地産の木材を出来るだけ多く使い、入手しにくいモノでも国産材で対応しました。
これは化石燃料を多く使い輸入した外材を使用するよりも、疲弊・弱体化している島の林業を支える一助になればと思いこれまで以上に取り組みました。(今後も同様に取り組みます。)

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 次に、用途は小屋ですが、使い勝手が良くよりデザインされた小屋を目指しました。高さ関係の寸法の押え方と外観デザインに通じる納まり(ディテール)や使用する素材と仕上げ方など…家づくりにも役立ついくつかの要素をこの建物に盛り込んでいます。
この建物に対し好み・主観もいろいろ有ると思いますが、こうした小さな建物に計画段階から工夫し現場段階で実践してきたことで、どこにでもある小屋ではなくお客様オリジナルの建物として仕上がった感が強くありました。
お客様との御縁で、こうした機会に恵まれた事を、ありがたく思います。
工事関係者の皆さん、お疲れ様でした。また良い雰囲気のする建物を作り続けましょう。

佐渡 しなしなと古民家/床下を確かめる

汗ばむほどの暖かさになった佐渡島ですが、夕方から小雨になってきました。
「床下を確かめる」
 若いご家族にとっての住宅となる古民家改修計画を、しなしなと進めています。
改修計画だけでなく、建物や土地取得の手続きや住宅ローンの事など、(大概の人がそうであるように)彼らにとっても初めての事が続いていますので、慣れない事を落ち着いて進めて行けるよう私もサポートするようにしています。

そんな中ですが…ご夫妻と都合を合わせ、現況調査として床下にもぐり込んできました。
※今回の床下調査でご夫妻に同行して頂いたのは、将来自分たちの家となる古い建物の状況を現場で確かめてもらう事が、将来的な維持管理についても役に立つ、と私が思ったためです。(ただし床下は、私一人でもぐりました)
 床下の状況は、床を支える根太や大引、柱の根元ともに良好でしたし、床下の地面も一部を除き(防湿していない状態でも)乾いた状態でしたので心配は少ないと思います。
結果を聞いたご夫妻も安堵の様子で、私としても何よりでした「^^」

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《現場の佇まい》

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《床下にて》
「古民家や中古住宅を取得する前に」
 このブログで何回も書いておりますが、改修工事(リノベーション)において現況調査(インスペクション)はとても大事です。特に古民家では、内部の見える部分(高い天井、大きな柱、広さ)などで圧倒され感動し、傷み具合などを冷静に見えていない事も一般に方には多いためです。
 ですので「いつか古民家を取得・改修して住みたい」人ほど、現場の状況を私の様な建築の専門家とともに複数回見て説明を聞いた上で、取得するかどうかの判断をした方が良いと思います。