工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

亡き祖父の仕事と再会〜佐渡アテビ材の凄さ

昔からお世話になっているお宅から「仏間と座敷の床が沈んでいる様なので、修理をお願いしたい。」と連絡があり、現場を見た後で段取りをつけ、昨日スタッフに向かってもらいました。

この家は僕の祖父が50年前に棟梁として建て、父も25歳の若さで現場に参加したお宅です。

50年もの永い間、祖父の技術や材料選びも良かったせいか大きな補修をしなくても良かったのですが、今回の補修個所は長年の床下の湿気により、材料が弱ってきていたのが原因のようでした。
作業としては、約20ミリある荒床板と2寸×2.5寸の根太をはずし、大引を新たに追加し根太も新品に取り換える工程にしました。
それでも畳下の荒床材はまだまだしっかりしていたので再活用し、現在使われなくなった掘り炬燵部分の板を新しくする事にしました。

工場に戻り新しい荒床板の加工準備に取り掛かる際、築100年経った古民家のオマエ(居間)から出てきた「佐渡アテビの古板」が数枚保管してあったのを思い出し「モノは試し」と削ってみる事にしました。

削ってみて、正直驚きました!!
100年以上経過した古い板にもかかわらず、虫に喰われた箇所もほとんど無く、艶々として独特の良い木の香りがしました。

昔からアテビは虫に強いし長持ちする…と語られていますが、アテビの古材を削ってみて「この材料なら十分すぎるほどリユース(再活用)できる」と納得しました。


写真上が加工前のアテビの古材。下が加工後の写真です。

以前から古材の再活用について考えてきた僕ですが…今年は歳始めから「リユース(再活用)による仕事」に恵まれ、大変うれしくおもいました。