工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 雪ちらつく週末〜住宅版エコポイント考察

本日の佐渡は曇り。風も吹いているせいか昨日よりも更に冷えている感じがします。
小さな花をつけている梅の木も寒そうに揺れている今日です。

≪住宅版エコポイントの講習会に参加して≫
さて一昨日は「住宅版エコポイントの代理申請のための講習会」が新潟の朱鷺メッセで行われ、参加してきました。国交省主催ですが、建築関係者だけでなく一般の方々も参加できる講習会であったため、それなりの数の方が参加されていました。

さっそくですが…
お客様が「住宅版エコポイント」を有効に取得するには?を僕なりに考えてみると、
一番安価な投資でエコポイントを取得できる方法は、やはり「内窓」を設置する方法だと思います。この方法であれば、サッシ業者だけの材料と手間賃で済ませることができてポイントはしっかり付くためです。ただしこの方法でも既存サッシの経年変化の状況(ゆがみ、緩み、パッキンなどの部材の腐食や傷みの状況)を把握してから実施してもらったほうがよいと思います。せっかく内窓を設置しても既存の外サッシがボロボロでは意味がなくなりますので。

(国側で経済効果を期待している)外壁の断熱や外窓の取り換えの場合、足場の設置費用、既存外壁の解体工事と処分費、大工職人の労務費や塗装工事費などがサッシ本体以外に発生しますので工事費は全体で大きな金額になります。そのため必要に迫られての工事を除きあまりお得な感じはしない感じもいたします。
※エコポイントは工事費の割合で算定されるポイントではありませんので、どんなに多額の工事をしても「30万ポイントを限度」としています。

また勘違いしやすい点は、エコポイントの対象工事と一緒にバリアフリー工事(手すりの設置や段差解消など)をすれば、ポイントは更に付きますが、バリアフリー工事単独ではエコポイントが付きませんので注意が必要です。

話は戻るようですが、最初にここで述べた「内窓」も窓を設置した後の使い勝手を理解した上で依頼した方が良い…と僕は思います。当たり前のことですが…内窓を付ければ(防音や断熱効果と引き換えに)通風のために窓を開けるのが2回になることや敷居(下枠)などの部分に小物が置きにくくなる、といった事も生じやすくなります。

「後付けペアガラス(アタッチメント付きペアガラス)」にしてもエコポイントは付きますが、この方法は僕としては一番お勧めできません。理由は、今まで単板ガラス1枚だった既存のサッシの戸車がペアガラスにしてガラスの重量が倍になった際、スムースに動くかどうかといった点や、経年変化で気密性の低下したサッシのガラスだけを断熱化してもその効果は低いと思われるためです。

やや文章も長くなり、建築業界にいる自分が、自分で自分の首を絞める様な意見を述べている気もしてきました(苦笑)。 ただ僕としては、お客様の使い勝手も考えずに、安易に商品を提供することに正直抵抗感が有ります。(当社でもエコポイントの取り扱いはしますが、あくまで工事の結果としてのポイントである捉え方をします。)

住宅版エコポイントは、必要に迫られた工事をした際「たまたまエコポイントが、オマケで付いてきた」程度で考えたほうが良い様に思います。