工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 古民家にて/場を感じ取る

ご縁あって、築90年近い古民家を見る機会に恵まれました。
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目に飛び込んでくる室内空間は、確かに暗く古いのですが、生活の歴史を刻んできたそこでひっそりと潜んでいる「場の豊かさ」も私は感じました。

まずは「自然光の取り入れ方」
土間台所として使用している部屋では、一般的な流し前の窓のほか北側に高窓があります。
小さい高窓ですが、効果的に部屋の奥まで光が差し込んでいます。

次に「小屋裏の大きな梁」
先述の土間台所から続く食堂には、囲炉裏や堀炬燵があり、火を焚いていた生活がありました。
この部屋の壁は煤け、その黒さは小屋裏の野地板まで及んでいます。
その真っ暗な小屋裏に、大きな丸太梁がかかり、家の骨組みや屋根をささえています。
また黒く煤けた土壁は、素材独特の面白い表情をしています。
生活とともに自然素材が渋く変化している様は、フェイクした建材では表現できない良さだと私は思います。