工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 雨漏り調査/直す経験を積む

本日は夕方近くから小雨の降った佐渡ですが、雨降る前の時間帯に「雨漏りの調査」を屋根職人と共に行ってきました。
伺った現場は、長くお世話になっているお宅。
町屋建ての家が建ち並ぶ地域の住宅で、屋根瓦は葺いてから50年近く経過しています。

さて…調査の際は、どんな雨風の時に、どこら辺から雨漏りしてきているかをお施主さんに確認してから屋根に上がります。(風向きによっては雨漏りしない場合も、地域によってはありますので)
今回雨漏りしていた箇所は、天窓の裾(水下)周辺でしたので、板金水切りを新たに設置する工夫で対策することにしました。

ブログ上、とても地味な作業のように見えると思いますが、住まいを長く愛用して行くためには「(作り手の)修理できる技術力」がとても大切です
直す経験を積み重ねることで、より長持ちできる家づくりもできる、と私は考えています。

《ご参考までに:古い町屋の雨漏りについて》
古い町屋によく有る事ですが、屋根の流れ方向の長さが長いわりに屋根勾配が緩い場合があります。
それは瓦に葺き替える前、石載せ屋根だったからなのです。(佐渡では小木地区の宿根木で見られます。)
石載せ屋根だけに屋根の勾配が急ですと、石が転がり落ちて危ないので、屋根の勾配は有る程度緩くしてあります。
しかし緩い勾配の屋根ですと水量の多い雨が降った際には、軒先に行けば行くほど水量も多くなるので雨漏りの可能性が高くなってきます。

一般的な解決方法として、屋根の勾配を今までより急にする方法や屋根勾配を変えずに瓦下地の防水材を丈夫なモノにする、といった方法がありますが私どもはケースバイケースで対応策を検討しています。(お客様の事情なども踏まえた上で結論を出すようにしています。)