工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 寄り添う家づくり

「介護の現状を見せて頂く」
この間引き渡しを済ませ、お引っ越しも済んだ「こじんまり新築(小さなおうち)」のお宅に、一昨日伺ってきました。
実はこの家では、介護を受けているお年寄りがいらっしゃいます。
私としては『自分たちの作り上げた家が介護とどう向き合っているか』を確かめておく必要が有りました。
その日は介護施設の女性職員二名で、デイサービスを終えたお年寄りをストレッチャー乗せ、玄関から運び入れ、ベッドに移動している様子を間近で見る事ができ、私にとって貴重な機会となりました。

介護の様子を見ながら、私はいろいろ考えていました。
「入口の位置や幅、アプローチの仕方」
「ストレッチャーでお年寄りが室内に運ばれた際に、最低必要な広さ」
「ストレッチャーから介護ベッドに移す職員の動きと彼女たちが動きやすい広さ」& more・・・

設計だけでなく竣工までクライアントと打ち合わせを繰り返して「その家族にとって最良の家づくり」をしてきても、私は家づくりという仕事に対し「家が仕上がり、引っ越したら終わり」だとは考えません。
新しい住空間で、生活が始まってから気づく事…も家づくりのプロとしては、大事な事だと思うからです。
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「施主の高齢化と急な傷病」


上の2枚の写真は、現在進めている住宅の改修工事と新築工事の現場の様子です。
改修工事のクライアントは50代半ば、新築工事のクライアントは40代ですが、打ち合わせでは「クライアントの高齢化や急な傷病」も大事な話題として私は取り上げ話し合います。
まだお若い方たちに「年をとっても住みやすい家」と話してもピンとこないかもしれませんが、「もし大ケガや病気で不自由をしたら…」と考える事はたいせつです。

長くなりましたが…これから家づくりをされる方々にとっては「やたらデザイン志向の家や設計の煮詰められていない家」よりも「ご家族にどんな状況が起きても、負荷が少なく住み続けられる家」を、私はお薦めします。
ただし後者の家は、設計で新生活を考える時間とお客様とのやり取りで十分な時間が必要となります事も、御理解頂けると幸いです。