工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 しっくり来る暮らし

曇りに雨が時折混じる佐渡島です。

どこかしらから風も吹いているので、まだ蒸し暑くなく過ごしやすい感じです。

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「しっくり来る暮らし」
弊社の改修工事でお世話になったOB宅を二つ訪ねて来ました。

1件目は、7~8年前に改修した物件。
本が好きなご主人、当時と比べ本棚も増えたようです。
部屋は周囲の状況もあり日中でもやや暗いのですが…部屋全体を明るくするのではなく、部分的な照明をすることでとても落ち着いた空間になっています。

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⑴元の古く色のくすんだ壁は、お客様のDIYで味のある白壁になり、木製の本棚とアクセントが効いてました。
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 2件目は、昨年改修工事をした島の保健室。
毎日曜日にこの家は公開されていて、子供連れのお母さんやお婆ちゃんがそれぞれ寛いでいました。

この家は、プライベートとパブリックの部分を分けつつも、人が回遊できる作りになっていますので、子供さんたちは(行きどまりが無いので)走り回ったりできて楽しんでいる様です。また台所とその背後にある脱衣室も、回遊できる間取りで仕上げているため住んでいる奥様だけでなく、来場された女性にも「動きやすく、使いやすい」と高評価な話を伺いました。

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⑵断熱の為厚くした壁の上に設えた棚板には、様々な形の瓶が並んでいましたが、それさえもインテリアに役立っていました。

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(3)窓際に何気なく飾ってある小物や野花が、とても良いアクセントになっていました。
何を置こうか、何を飾ろうか…と考える生活時間はきっと楽しいことだと思います。
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 打合せを重ね、現場でも質と使い勝手の向上をともに目指したそれぞれの家ですが、改修工事後の仕上がった時よりも、お客様自身が好きなものに囲まれたしっくり来る暮らしをされていて、とても良かったと思います。

これからもよろしくお願いします。

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佐渡 くらす・つくる・まなぶ/鼓童メンバーがウチに来た!

早いもので6月も本日が最終日。
しっとりと雨が降る佐渡島です。
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鼓童メンバーがウチに来た!』
先日のこと、鼓童メンバーの中込健太さんと草洋介さんがウチの工場にお越しくださいました。

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 鼓童メンバーは「ワン・アース・ツアー」を主としたパフォーマンスを世界各地で繰り広げています。僕からすると佐渡島で例年夏に開催される「アース・セレブレーション」でパフォーマーと一観客という遠い距離感でしか接することの出来ない方たちなので、お会いするまではそれなりに緊張しました「^^」>

www.kodo.or.jp「すごす(過ごす)→くらす(暮らす)」
 コロナ禍で活動自粛・公演中止と大きな影響を受けている中、拠点の佐渡島で今後についていろいろ考え話し合っていることを伺いました。そんな話の流れの中、私に会ってみよう!となった訳です。

 彼らは年間の大半を海外のツアー先で過ごしているのが通常ですから、暮らすことは今後のことだけでなく、島をあらためて知る(見直す)機会にもなっているようです。
鳥であれば、止まり木と巣の違いくらいかもしれませんが…人の場合は、生活の中で感じ取ることも多い様に思います。

 一方、暮らす器を作る僕らにとってもコロナ禍は例外なく影響を与えていて、それは経営面だけでなく住宅の計画にまで広がっている、と自覚しています。そのような中ですが、部屋の広さにゆとりやコーナーを持たせたリモート・ワークしやすい家の新築やリノベーションを、僕はいつも頭の中に描いています。

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「つくる」
 僕らに共通するのは「木を使い作る」こと。
彼らは木製のバチで太鼓を叩き音(音楽)を作り、僕らは木を刻み家を作ったり、直しています。
 お二人がバチを手作りする中でのエピソードや樹種や作り方といった話題で盛り上がりましたが…樹種だけでなく、手の大きさや太鼓の大きさによっても違いの出るバチは、木を深めるには良いコンテンツですね。
彼らへ手土産代わりに渡した木々が、バチとして使えるかどうかがとても楽しみです。

「まなぶ」
 僕は彼らと木について話し合いましたが、コロナ禍だからこそ出来ることとして「学ぶ」ことを実践していました。
佐渡島での暮らし方を学ぶ

・モノの作り方を学ぶ
その学びの答えは単純一様ではなく、たとえ地道でも続けながら気づくこと対応することが求められますが…それが器用に生きてゆくことなんだ、と(かなり年上ですが途上の)僕は思います。

「結びに」 
 鼓童には「くらす・つくる・まなぶ」という活動理念があります。

www.kodo.or.jp 若い彼らは、佐渡島でそれらの実践を通じこれからに向かっていると強く感じました。若いからこそできること、生涯続けてゆくこと(ゆけること)を日々の生活の中で考え、挑戦し続けてゆくのは良いことだと思います。

コロナが終息した後、鼓童のパフォーマンスを含めた活動はよりハートフルで力強くなっているに違いありません。

自分自身にとりましても良い刺激になりましたし、またお会いできたらと思いました。
この機会とご縁に感謝いたします。

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「お知らせ」
 佐渡島で毎年夏に行われている「アース・セレブレーション」ですが、今年は無観客でのライブ配信(オンラインイベント)を充実して行うことになりました。

 またコロナ禍による鼓童への支援や投げ銭でのライブ支援も取り組んでいるので、このブログをご覧の皆様もご協力頂けたらと思います。詳しくは鼓童のホームページをご覧ください。よろしくお願いいたします。

earthcelebration.jp《注》2枚目と3枚目の写真は、同行したYさんからの写真提供。ありがとうございました。

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枯木から芽吹くたくましさ

佐渡 大切にしたい工夫と手づくり感/郵便受けなど

 昨日は、久しぶりにまとまった雨が降った佐渡島です。
雨降った後は草木の勢いが増しますね♫
ということで…近いうちにまた工場敷地の草刈りをすることに。
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「大切にしたい手作り感」
 仕事の合間をみて、事務所の外周りをリフォームしています。
完成はもう少し先ですが、ちょっとづつ楽しんで進めているところです。

 数日前に壁がほど良く仕上がったので、この機会に郵便受けを新調し、電気メーターも木で囲うことにしました。大工スタッフへ口頭で大きさとイメージを伝え「材料選びや納まりも含め、あとは任せます」とゆるく大づかみな段取りでしたが、出来たモノはとても満足できる仕上がりになりました。

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《手作りの郵便受けと電気メーターボックス》
 木目が砂丘や波の様に見える白っぽい杉板を背板にして、フタは赤みの強い杉板を使って対比の効いたデザインに仕上げています。
 郵便受けの上に有る「しの字型した枝」は流木です。電気の引き込み線が気になったので、似たような木を海岸から拾ってきました「^^」>

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また細かい部分も、上手く仕上げたなぁ!と感心したのは、木の枝で作ったフタのツマミ部分。つまみやすく、とても自然な感じがしてイイと思いました。

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《郵便受けを開けた状態》
また今後のお仕事で、こうした機会でも出たら第2弾の郵便受けを作ってみたい!気持ちです。
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「大切にしたい工夫/電気メーターの囲い」
 郵便受けの上にある電気メーターも、大工スタッフがアイデアを出し木製タテ格子のカバーで囲ってみました。制作前にイメージで話をした際はヨコ格子で考えていたモノですが、スタッフのアイデアとユーモアでタテになりました。

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↑ご覧の写真の様に、タテ格子の板一枚に丁番とラッチを取付け、検針の際は開閉出来るように工夫しています。
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 以心伝心とまで言えるかどうかわかりませんが、私のゆるい段取りに大工スタッフは彼らなりにいろいろと知恵(アイデア)をしぼり腕を振るってくれたのだと思います。とても、ありがたいことです。

こうしたスタッフとともに、家づくり(新築、改修、増改築)でもアイデアと工夫をし、手づくりで自然素材をいかした仕上げをしてゆこうと思います。

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佐渡 手作りの良さ/おそとで打ち合せ

 過日のことになります。
コロナ禍ということもあり屋外で打合せしましょう!となり、待ち合わせ場所を訪ねました。

私を笑顔で出迎えてくれたお子さんたちが先導してくれた先は、とてもステキな場所でした。

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落葉樹の合間から海が見渡せる高台。(もともとは田んぼだったようです)
お父さんがパレットなどで設えたウッドデッキとテーブルが、とてもいい雰囲気。
こんな気持ち良いところで打合せできるとは!と嬉しくなりました。

打合せも順調に進み終え、車に戻ろうとしたら…
「あっち、あっち。ついて来て!」と再び先導してくれる子供たち。

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「お父さんがね、作ってくれたの」とエノキの木に取り付けたデッキを嬉しそうに喋る子供たち。
上の子が言えば、下の子も同じことを追いかける様に私へ話してくれます「^^」

子供たちは実に微笑ましいし、子供たちにこうしたものを工夫して手作りするご夫妻も素敵だと思いました。余談ですが、打ち合わせ帰りにはお母さん手作りのジャムを頂き食べましたが、これまた美味しかったです。(我が家で大好評でした)

屋外の活かし方、手作りの良さは、家づくりする私も大切にしたく思いました。
これからに向け、良い刺激を受けた一日でした。




佐渡 稀な機会に感謝し記録/茅葺き民家の屋根下地修繕

初夏の風吹き爽やかな晴れ間が続く佐渡島です。

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佐渡島南東部にある松ケ崎灯台

 古い民家の改修に多く関わってきた私どもにとりましても稀な機会なので、忘備録として、そして後世の職人に役立てばと思い、このブログで記録します。

「茅葺き民家の屋根下地修繕」

 数日前から、茅葺き民家の屋根の下地修繕に取り掛かりました。
見かけることも少なくなりましたので、茅葺き屋根といっても、現代ではピンと来ないかもしれませんね。下記ウィキペディアを参考までにリンクします。

ja.wikipedia.org 

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《屋根の既存状況:屋根先端を支える部分(茅負やツナギ梁先端)がなくなっていた》

 今回私たちは、茅葺き屋根の軒先部分にある「茅負(かやおい)」やそれを乗せる為の「ツナギ梁」の取り換え作業をしました。写真の通り既存の茅負とツナギ梁は雨漏りで腐食が著しく進み、屋根を支える強度も無くなっていました。

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既存の屋根下地木材(上:茅負、下:ツナギ梁)とツナギ梁の型取り定規(中)

 また今回取り換えるツナギ梁は元々「しの字型」で、材料の準備も簡単に行かないものでした。木の根元部分を使う(木取りする)想定で図面を書き材料の発注をしたところ、運良く手に入りましたので、図面だけでなく現場から丁寧に取り外してきた物と形をそろえて作りました。

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しの字形した新しいツナギ梁 
(奥に黒く見えるのが腐食して先端の無くなった古いツナギ張り)

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内部の作業状況

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取り付けた新しいツナギ梁と茅負

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茅負と重ね物の取付作業中

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新たに取り付けたツナギ梁とそれに乗る茅負と重ね物

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茅屋根の修繕

 茅葺きの民家は、(後世の改修で建材が使われた部分を除き)すべてが自然素材で作られています。風雨にさらされる屋根は特に経年劣化に対し注意が必要です。(なおこの現場では屋根そのものだけでなく、周辺の木々を刈り取り環境を整えることも建物を保護する上で大事なことであると思いました)

 現代では茅葺き民家の空き家化に加え維持費用※と職人不足で、維持管理もままならない状況です。それゆえにこの度は、貴重な修繕の機会を経験させて頂きましたが…どんな建物でも住まい手(管理者)による異常個所の早期発見と早期対応が維持管理費用を抑えられますので、早く気付く様ご注意いただきたいと思います。

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休憩時間に談笑する茅葺職人たち



佐渡 楽しくうれしい!/木製家具の試作

 某所からお声がけいただき、島内と県内産の杉材で家具を試作しました。(椅子、テーブル、ローテーブルの三種類)
 ・椅子:W550⋆D500⋆H745(座面H410)
 ・テーブルサイズ:W1600⋆D480⋆H700ミリ
 ・ローテーブルサイズ:W1600⋆D480⋆H380ミリ

 杉の無垢材で作られていますので、木の香りがして肌さわりも柔らかいです。ただいつ頃から販売するかは、わかりかねます「^^」>
なおテーブルを二つ合わせて使えば、ダイニングテーブルとしても活用できます。

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 試作時を振り返り「こうしたらどうか、ああしたらどうか」など職人とセッションしたひと時は、家づくりとは違っても楽しくうれしい時間でした。

そんな感じで、前向きに作り上げる大工スタッフがいることを、幸せに思います。

《注》家具は屋内用で試作品のため未塗装です。弊社FBページに6/8初出。6/9加筆してブログにアップ。

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佐渡 移住された若い二人のために/小さな改修工事

初夏を思わせる日差しと爽やかな風吹く佐渡島です。
下記の理由で、久しぶりに長めの記事となります。
中古住宅を購入し、改修工事をご検討されている方たちのお役に立てば幸いです。

『ご縁:出会いと状況』
 購入した中古住宅の気になる腐朽や傷みの修繕で相談をお受けしたのが、お二人が海外から佐渡に移住してきてわずかに日の経った頃。このブログやフェイスブックで、私どもを見つけ連絡メールを受けてからでした。

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 その家は築50年近く経った建物でした。
雨漏りといった大きな不具合がなかったものの、昭和期の新建材が老朽化していました。具体的には床(フロアー材)全体の傷みがひどく、部分的に沈む(フワフワする)箇所が多い状況でした。

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《改修工事前の状況》

『思考1:この家で生活してゆく中、何が一番不自由で、何が今のところ我慢できるか』

 とはいえ島に住み始めたばかりのお二人ですから、修繕・改修にまわす予算的なことも出来るだけ無理の無い様に努める共通認識で、的を絞った改修工事をすることにしました。
 そして生活してゆく中、何が一番不自由か=どこを直せば快適な生活ができるか、を話し合った結果、台所・食堂の改修工事をすることになりました。(その打合せの中、今のところ我慢し、状況を見て将来対応することも話し合っています)

『思考2:修繕(直す)だけでなく改善』
 改修工事に取り組む前に、改修後の快適な生活をイメージして計画することが大切です。改修工事では、住む人の動きやすさや使いやすさを考える良い機会ですから、悪いところだけ直せば快適になるとは言えません。私からの提案も含め打ち合わせを重ねてゆくことで、必ず良い方向に向かいます。

 なお計画を進める際には「何をどこに置く」といった家具や家電のレイアウトも大事な要素です。また改修工事では、仕上がって目にする部分だけでなく、断熱性や耐震性の向上といった仕上がると見えなくなる部分へも配慮と施工が必要となります。

『判断:原寸(現場)は語る』
 計画を煮詰めてゆく過程で図面を幾度か修正しますが、図面が絶対かと言えばそうでもない!と思っています。大筋の部分でお客様と共通認識は出来つつも、立体的感覚での共通認識は図面よりも”原寸で語り合える現場”が一番だと私は考えています。
 そのため私は、作業中の現場での打合せに重点を置いています。私の経験上でスト、コンセントの位置や数、仕上方など現場がある程度進んでから変更が出やすい部分です。

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《壁を外した後、工事関係者でミーティング+お客様現場打ち合わせ》

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《作業中:断熱性の向上》
『仕上:より満足のゆくものに』
 現場の進み具合に合わせ、お客様との打合せもしてゆくことで、住み手・作りて双方納得できるものに仕上がります。

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・改修後の台所・食堂
床仕上げは、国産杉に蜜蝋ワックス。壁はクロス貼り。天井はローコスト化を考慮し既存のまま残し、塗装で白く色付け。

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《台所・食堂から隣の部屋を見る》
重ねた打合せで「ほど良く仕切られたワンルーム」に。
流し台と高さを揃えた腰壁でほど良く仕切りました。
木製建具は、既存のもの(ガラス障子)を再利用し、アクリ板で雰囲気を変えました。

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《和室から台所・食堂を見る》
もともと在った和室の雰囲気を残しつつワンルーム化したことで、広がり、動きやすく仕上げました。お二人が海外から移住し、畳や和風の天井が気に入って残した訳ですが、余計にいじらないことでローコスト化にも貢献しています。
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今回はブログご覧の皆様に分かりやすくしようと長くなりましたが、私たちはこんな感じで仕事を仕上げています。
木造住宅の修繕や改修でお悩みの際は、ぜひお声がけください。
長文のご一読、ありがとうございました。

川上工務店 川上巧

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