佐渡 はじめての家づくり/しなしなと古民家/若いご夫妻との出会い
川上さん、また古民家ですか…と突っ込まれそうですが、古民家の記事を書かせて頂きます「^^」>
過日、縁あって古民家を取得する若いご家族から、(自分たちらしい生活を目指した)リノベーション(改修工事)のご相談を受けました。
とはいっても、彼らにとって初めての家づくりで、一大決心となる事でもありますので、次のことを私と申し合わせました。
1:しなしなと/(目標期限をもちつつも)計画に時間をかけましょう。
この古民家ももともと他人の家だったわけですから、自分たちらしい生活をここでするには間取りの変更といった工夫が必要になると思います。そのためには、いくつかのプランをもとに打ち合わせをしながら、使いやすそうか、動きやすそうかといった点も煮詰めてゆく事がたいせつだ、と私はいつも思っています。
また古民家の場合は広いので、主に使う広さを限定してリノベーションする、といった事もありえますし、子供の成長や老後までの家の使い方の変化も考えておくと良いと思います。(技術的な事も付け加えるならば…将来まで見通して考えると、これまでこのブログで書いた”断熱リノベ(改修)”への理解も深まり、その施工をする事でご家族の健康維持につながります。)
2:わかる・わかりあう/現状をしっかり把握、そして理解しましょう。
主に専門家である私が状況調査(インスペクション)する事になりますが…古民家の既存状況(間取り、傷み具合など)を知ることは、リノベ計画を立てる中で大事な情報となります。また腐食の度合いにより最優先で解決しなければならない事が発生するかもしれませんので、しっかりと現状を把握しておくことは大切ですし、はじめて家づくりを経験するお客様がその状況を”わかる”ことは将来的にも意義有る事です。
・・・今のところ、こんな感じです・・・
古民家が自分たちの棲家となったら、あんなことも、こんなこともと夢描ける事はとても良いことですね。(楽しんで考えてゆきましょう。)
さて私は、(新築・改修を問わず)家づくりを夢描くご家族に寄り添う存在で居ますので、今後ともよろしくお願いいたします。
以上、古民家関連の話題の多い川上でした「^^」>
※以下の写真は、本日のモノ。一日通じてこんなに変わりやすい天候でした。
佐渡 古材の棟木/土蔵の解体対応
過日の事になりますが、(お施主さん手配による)土蔵だけの解体工事が始まろうとしていた直前、その場所での改築の依頼が私どもに舞い込んできました。
連絡を受け急きょその土蔵の下見をしたところ、解体する土蔵は他の建物にはさまれて建っており、土蔵だけ解体するのも十分気を付けなければならない状況でした。
また土蔵の内部を見ると、柱や梁には栗の木が使われていましたので、私からお施主さんへ古材の再活用の提案をし、使えるものなら使いましょうという承諾を受け、解体業者と打ち合わせをする事になりました。
とはいえ解体業者としては解体部が残す建物にはさまれている状況や、運搬車両や重機の旋回など考慮すると古材を取り出す対応は出来ない、という回答。それでも打ち合わせで粘った結果”棟木だけ”を取り出す方向性で解体工事を進めてくれることになりました。
そして先日、棟木が届きました。解体業者が工夫・苦労して頂いたおかげもあり、長さ約6mで大きさ30センチ角の一本ものの栗の木でした。(ありがとうございました。)
解体について、お施主さんは「古材の再活用」が念頭に無かっただけに、私の提案が実現した事を大変喜んでおられました。
この土蔵の名残とも呼べる古材を使った改築は、これから計画する事になります。
佐渡 車庫の外壁改修/着手前の状況調査を踏まえ
肌寒いながらも晴れ間に恵まれた佐渡島です。
こうした朝は、深呼吸をすると結構気持ちの良いものですね。
《改修工事では、着手前の状況調査がとても大事》
築40年余り経つ木造車庫の外壁改修を始めました。
私と大工スタッフが過日行ったこの建物の状況調査では、骨組みはしっかりしていましたが、屋根の部分的雨漏りや隣り合う建物との雨仕舞の取り合いに不安が有るため、そうした部分も今回の外壁改修で修繕して行く事にしました。
www.mlit.go.jp
上記の話題の関連情報として掲載しますが…2月26日に「宅地建物取引業法の一部改正」が閣議決定しました。
伴い中古住宅の取引に於いては、第三者による建物状況調査(インスペクション)が平成30年4月から義務付けられます。
※国交省は建築士を対象に平成28年度に建物状況調査員の資格講習を実施する予定です。
とはいえこの法改正や法的義務になる前から、現場の分かる建築士から建物の状況調査をしてもらった方が良い、と私は思います「^^」
佐渡 若いOB宅を訪ね/いかがですか、快適ですか?
「自分たち家族らしい家を建てたい」という話をお聞きしたのが、今から約5年前。
そして今から4年前に完成した若いOB様の家を訪ねてきました。
必要なモノだけ置いた室内は、つい先日お引き渡したかのように簡潔でスッキリとした印象を受けました。(ご夫妻のこうしたセンスは、とても素晴らしいと思います。)
最初に出会った頃の話から今までを懐かしくも楽しく振り返りつつ、これまでの住み心地や夏・冬の燃費の話など家の性能に関する事、子育てに関してまで話題は多岐にわたりました。
細かいことはお客様のプライバシーもあり控えますが、自分たちらしい家で快適に住み続けられる事を大変満足しているご様子でした。
設計・施工させて頂いた私としましても、たいへん嬉しい気持ちで帰路につきました。
そしてまた機会をみて訪ねようと思います。
(ハンス・J・ウェグナーデザインの)Yチェアに座り、あのロケーションで楽しい会話をしながら美味しい珈琲を頂けるのは、私にとって大変幸せなひと時でした「^^」>
佐渡 小さな木造建物/地産材(資源)を意識して使う。
寒の戻り、と呼べるような荒天の佐渡島です。
また荒天に伴い、佐渡汽船のジェットフォイルも終日欠航する状況でした。(カーフェリーは運航しています。)
「地産材(資源)を意識して使う」
最近では、佐渡島の新築木造住宅の骨組み材(構造材)も、島外の工場で機械加工して輸入※する方法(プレカット)が主流となっています。※佐渡島には、プレカット工場がありません。
私も主流というだけでなく、プレカットの長所を理解しますが、一方で佐渡の林業や大工職人の技術力維持を考えると、その長所だけに頼っていてはマズイ気がしております。無垢材を使用した本物志向のリノベーション(改修工事)では、高い大工技術の必要性を強く感じます。
・・・
前置きが長くなりましたが、このたび小さな木造の建物を建てる事になり、(お客様との打ち合わせして)『意識して佐渡産の木材を使う』ことにしました。また木材の納材において業者の方には、価格や含水率についての条件を付け加えさせて頂きました。
佐渡に木材の人工乾燥できる施設は有りますが、稼働率は極めて低い状況の様です。そのため今回私どもは、ある程度自然乾燥した材料を選びました。
《佐渡産の杉柱》
「ハッキリした意識と変革」
自分たちが木造住宅などの作り手として「佐渡の木を使いたい」とハッキリ言い、製材所や森林組合といった生産側の意識を高め今後に繋げたいと思っています。
これまでのように「乾燥した木材なら、島外から電話1本で仕入れられるよ。」では、仕入れ段階で交渉しかねます「^へ^」>
また価格面も国外輸入品などに対応できるよう意識して頂きたく思います。
国外から化石燃料を使い船便で輸入した木材より、地元のモノであれば地元の経済活性にも直結しやすい、と考えませんか「^^」
《弊社工場での小規模製材》
「意識から持続へ」
せっかくの地産資源ですし、私どもはこれからも意識して使い続けますので、生産関係の方々も意識して生産してくれることを願ってます。またこうした取り組みをする施工者が増える事も期待しています。
佐渡 催しのご案内/空き家の活用
趣旨を御理解頂いた上で、御都合のつく方は、是非お出で下さい「^^」