佐渡 古材の棟木/土蔵の解体対応
過日の事になりますが、(お施主さん手配による)土蔵だけの解体工事が始まろうとしていた直前、その場所での改築の依頼が私どもに舞い込んできました。
連絡を受け急きょその土蔵の下見をしたところ、解体する土蔵は他の建物にはさまれて建っており、土蔵だけ解体するのも十分気を付けなければならない状況でした。
また土蔵の内部を見ると、柱や梁には栗の木が使われていましたので、私からお施主さんへ古材の再活用の提案をし、使えるものなら使いましょうという承諾を受け、解体業者と打ち合わせをする事になりました。
とはいえ解体業者としては解体部が残す建物にはさまれている状況や、運搬車両や重機の旋回など考慮すると古材を取り出す対応は出来ない、という回答。それでも打ち合わせで粘った結果”棟木だけ”を取り出す方向性で解体工事を進めてくれることになりました。
そして先日、棟木が届きました。解体業者が工夫・苦労して頂いたおかげもあり、長さ約6mで大きさ30センチ角の一本ものの栗の木でした。(ありがとうございました。)
解体について、お施主さんは「古材の再活用」が念頭に無かっただけに、私の提案が実現した事を大変喜んでおられました。
この土蔵の名残とも呼べる古材を使った改築は、これから計画する事になります。