工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 御堂の傾き補正/知恵を出し合う

小さな集落に在るお寺の御堂が、地震などにより傾きがひどくなった為その対応をする事になりました。

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現場での施工は、地元の大工職人と基礎は土建業者と島内の曳家業者というメンバー構成で、私ともう一人の建築士で現場監理をする進め方をしています。
今日は、曳家で上げた建物の下にもぐり、基礎や柱の高さ決める”肝心な決め事”を関係者が集い行いました。

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 こういう仕事はとても稀ですが、これまでの経験と現場の状況から短時間で総合的に判断する器用さが求められます。現場では、曳家職人が建物を持ち上げるために使用した丸太や角材が交差する中、大工職人は古い柱の根元を切断したり、基礎工事のため土の搬出や配筋することをし難くしても良くないためです。(その為、今回は弊社のベテラン大工も一緒に立ち会ってもらいました。)
 ミーティングの最初は戸惑っていたメンバーもいましたが、徐々に解決方法が見えて来たことで、最後はみんな笑顔でその場を解散することになりました。私自身、工事関係者が知恵を出し合える雰囲気づくりも、監理の大事な仕事だとあらためて思いました。
明日から出し合った知恵を活かして参りましょう「^^」/

佐渡 御隠居部屋の新築/無事御引渡し

次第に蒸し暑くなってきた佐渡島です。
梅雨の時期ですからね。
「無事御引渡し/関わった仲間たちへ」
もしや、この古材は(驚)!と5月27日のブログでご紹介したお仕事は、先日無事引き渡しを終えました。
同じ場所で改修工事もからむ中、完成を見据えた段取りなどでいろいろと工夫も必要でしたが、各職方たちはやり遂げてくれました。

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また皆さんのおかげで、御夫妻は新しい部屋で寝起きもされ、その快適さを喜んでくださいました。仕上がりの良さに加え、新築部だけでなく改修部の断熱と気密を向上させたことや解体した土蔵の栗の木の棟木をリユースした事で思い出も残せた事が、その喜びの要因だと私は思っています。
これからもお客様の期待以上の仕事をしてゆきましょう。
皆さん、御疲れ様でした。

佐渡 ひょうご屋シーズン2/造作順調

日向に居ると、暑さを感じる佐渡島です。

PCの動作不良でブログ更新がかなり空いてしまい、ご心配おかけしました。

復活します(^-^)

「造作順調!」

ひょうご屋の現場ではベテラン大工のHさんが順調に造作を進めています。

休憩時間も、現場の納め方について話し合いしていますので、イイ感じになってゆくことでしょう(^-^)

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室内は、無垢材のカウンターも据え付けられ、厨房の壁も仕上がってきた事で、飲食可能な雰囲気も十分伝わっています。

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また現場に在った中古板材も、大工の技量で出来るだけリユース(再活用)して、上手く納めてくれました。※写真の杉壁板は、大半の広さをリユースした板材で仕上げています。

佐渡 ひょうご屋シーズン2/造作中

陽射しと風が程よい晴れ間の佐渡島です。
島の北端に位置する大野亀では、トビシマカンゾウが見頃を迎えている様です。(県内ニュースより)
「ひょうご屋シーズン2/造作中」
大工職人が現場入りし、数日経ちました。
古い床材などを剥がし終え、現場は作る作業に移行しています。

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そして現場は、古い良さをイイ感じで残しながら、進んでいます。
凝り過ぎない、作り過ぎない、現場で剥がした材はリユースも考える…そうした基本姿勢を大工職人とのミーティングで確認し合ってきました。(こうした微妙なニュアンスを確実に理解してもらうは、頑張る職人と現場で直接話し合うのが一番です。)

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《現場にほど近い小木港にて》

佐渡 サンザBAR(ばる)のためのリノベ/そろりと着手

築50年経つ木造建物の1階に空き店舗があり、そこをBAR(バー、バル)に生まれ変わらせよう!という仕事に、そろりと取り掛かりました。
まずは内部の解体工事。
大工スタッフと共に、築年数で腐食など傷みが在るかどうかや、計画段階で設定した寸法など修正する必要があるかどうかの確認をし、地墨を打ちました。

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お客様と私は長い付き合いで、深夜まで飲み語った或る日「残りの人生は、自分のしたかったことをする」と彼が宣言した所から、この計画は始まりました。また彼がそう考えた背景には、若くして病死した同級生の生き様も強く影響している、と私は感じています。
(私たちとしては珍しく)店舗の為の改修工事(リノベーション)ですが、人の賭けた生き方に、家づくり同様真摯に、そしてお客様と楽しみながら取り組んでまいります。

佐渡 ひょうご屋リノベ/明日からシーズン2

久しぶりに蒸し暑い感じのした日中の佐渡島です。
「明日からシーズン2」
シェア・スペース「ひょうご屋」の第2期改修工事が明日から始まるのに合わせ、地元大工職人のHさんと直前ミーティングを行いました。(Hさんはベテランで技術力のある大工さんで、第1期でもお世話になった方です。)

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現場を綺麗に仕上げる(納まり良くする)には「こう仕上げたい!そのためには、この辺が要(ポイント)になりそう。」という意思疎通を各職方と十分にしておく必要が有りますので、今回の機会をもちました。
Hさんとやり取りも上手くゆきましたので、明日からのスタートも良い形で進みそうです「^^」

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《ひょうご屋前の日常光景》

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佐渡 佐渡ヘリテージマネージャー協会を設立

初夏っぽい陽射しが眩しいけれど、爽やかに風吹く佐渡島です。
また今週も晴れ間が続く様なので、仕事もはかどり良く進むと思います。

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佐渡の古い建物に対する私的想い」
20年余り前にUターンしてきた私は、当時父が運営していた川上工務店で家づくり(家直し)の仕事をしつつも、佐渡の古い民家や町屋の調査や活用も考えてゆきたいと思い続けていました。そんな折、新潟県建築士会が主催した「歴史的建造物専門家(ヘリテージマネージャー:以下ヘリマネ)養成講座」の機会に恵まれ、修了したのが一昨年の11月半ばでした。
そして昨年、島内全域を対象にした15カ所の近代和風建造物の調査や、相川・西三川の重要文化的景観保存地区に在る建物調査にも他のヘリマネ※とともに取り組んできました。
そうした活動をしながらも、佐渡のヘリマネの知識や経験、考え方を良い形でとりまとめ、佐渡島に残る古い建物を今後に活かして行きたい、と想いは強くなってゆきました。(※私を含め佐渡島には新潟県認定のヘリマネが10名居ます。)

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佐渡ヘリテージマネージャー協会を設立
その後もあれこれ考えながら、想いを同じくするヘリマネ仲間と共にいろいろ話し合い、先だってこの協会を設立しました。(Iさん、Kさん、本当にありがとうございます)
協会では、古い建物の歴史的価値の裏付け調査や報告、その修繕方法などの検討に加え、古民家や町屋の再活用の提案も取り組む予定です。※注
民家に限らず古い木造建造物も多く残り、世界遺産を目指している佐渡島で、我々の活動はきっと意味を成すと信じ仲間と共に頑張ってみようと思います。
それでは、よろしくお願い申し上げます。

佐渡ヘリテージマネージャー協会 会長/川上巧=

 ※注:専門家の集まる組織でもあり、協会の活動は有料で請け負う事になります。

また、この活動に関しては、このブログで紹介する機会もあると思いますが、川上工務店とは別のセッションだと御理解下さい。

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