工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 新穂まちブラと六丸亭/その1

晴れ間に恵まれた先日(23日)に、新穂の旧料亭《六丸亭》で行われた催しに参加してきました。
「新穂まちブラ」
まず受付後に始まった「町歩き」
フォーラムの会場/六丸亭の隣りで理容室を営む柴山さんのガイドに導かれながら、30名余りの参加者は町中を散策。古地図を片手に当時のエピソードを交えながら町案内をする柴山さんがとても素晴らしく、ひきつけられました。

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この辺りは川と川に(皮と皮に)挟まれている場所だけに”太鼓の町”と呼ばれています…なんて粋な話は、とても良かったです「^^」
また資料の古い写真と同じ場所に立ち、現在どんな風に変わったかを知る機会も新鮮で貴重でした。(感嘆符のつくホォ~!とかヘェ~!の連続)

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大野橋の今↑と昔↓

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 普段であれば車で通り過ぎてしまう様な場所で、こうしたガイド付きの町歩きは、スゴク良い企画でした。その場を訪ね歩くだけでは分からないその地域の歴史や生活風景が、とても良く理解できましたので。
そうした意味で「町案内できる人」は貴重ですし、案内人が多く居る場所は旅を楽しむ人を多く呼べる気がしました。また地元の人が地元の事を知る事も大切で、町案内する人の高齢化を遅らせつつ将来の担い手を育てるきっかけになると思います。
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私の生まれ育った両津湊でも、地域の案内をする大先輩方も居られますので、一度その方たちの話を歩きながら聞いてみようと思いました。
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次回は「六丸亭で」

 



佐渡 腐食を直視!/浴室改修に伴い

改修工事の現場では、これまでの経験からある程度の想定をしていても、実際解体してみたら想定以上の傷みが目の前に…私どもの仕事は、そうした場面にも遭遇します。
今回の浴室改修工事の仕事では、半埋め込み浴槽の縁の高さで窓が設置されていた為「もともと気を付けた納まりをしていなければ、木部が腐りシロアリやカビにやられている」と感づいていましたが、納め方がかなり悪く下地材料だけでなく肝心の柱も根元から60センチほど腐っていました。(弊社では有り得ない雑な納め方でした)

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《著しい傷み/浴槽横の外壁を剥がした状況》

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《浴槽を取り去った後の腐食状況》
『直視!』
 そこで解体途中でも腐食状況を見た上で、どこら辺までどういう解体をするかを判断し、その後の補強方法を大工スタッフと話し合いました。
思い切り壊せない解体業者と変に既存状況を残すと補強しにくくなる大工…そこら辺をスピーディに判断するには、傷んだ箇所だけでなく周辺の状況を直視することが一番です。
その結果、効率よく効果的な対応方法を施す事にしました。
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 何はともあれ、今回の著しい腐食が見つかったのは、お客様にとって不幸では無かった、と思います。もしそのまま使い続けていたら、事態はもっと悪くなり、家そのものの部分崩壊やねじれを起こしていました。(この浴室の真上2階には、ユニットバスが載っていましたので、その荷重が腐食して弱った場所を直撃する可能性もあった訳です)
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また、仕上がれば隠れてしまう場所ほど、気を付けて納めてゆかなければいけない…と思います。
家づくりでは、見える部分よりも、見えない場所の方が肝心なのです。

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佐渡 しなしなと古民家/キッチンを組み終え

台風一過後の本日、お施主様ご夫妻と内装関連の打ち合わせを行いました。
現場は程良く進んでおり、先日システムキッチンも組み終えましたので、家族がみんなで寛ぐ居間・食堂・台所の雰囲気がじゅうぶん分かる状況です。

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「将来生活のイメージをご一緒に」
いきなり本題(内装関連)に入る打ち合わせも可能ですが、私としては「竣工後に、ご家族でどんなふうに使ってゆくか、を現場で一緒に考えてみる」事をしてから打ち合わせに入りました。
この御夫妻も例外ではなく”はじめての家づくり”を経験している最中ですから、仕上がって行くだけでも喜んだり驚かれるのが当たり前だ、と私は思います。しかしその仕上がった空間で「そのご家族らしい生活」が使いやすく行えるかどうか、は表面的な仕上がり具合とは分けて考える必要があります。
住み始めてから「あの時ああしておけば良かったという後悔」を、家づくりのプロとしてさせたくないですからネッ「^^」
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その後、本題の打ち合わせもスムースに進み、来週から塗装や内装に入る事になりました。
きっと良く仕上がって行きますので、ご安心ください。

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佐渡 台風18号通過後の見回り/安堵

 この度の台風18号の通過に伴い、被災された方々へはお見舞い申し上げます。
佐渡島でも昨晩の深夜から今日の未明に渡り吹き荒れ台風18号が通り過ぎました。
吹き返しの風も残り、午前中の船便が欠航するといった影響も出ましたが、地滑りや道路封鎖、床上浸水といった被害は聞こえてきませんので概ね大丈夫だったのでしょう。
※今回の台風が新潟県周辺を通り過ぎる際に勢力がいったん衰え「暴風域」が無くなったのが良かったのかも知れません。
「安堵」
明日が連休明けでいろいろと慌ただしくなりそうだったため、(休日でしたが)今日の午後から家の見回り点検(佐渡里想人)を行いました。

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雨よりも風が吹き荒れた今回の台風だったため、瓦のズレや落下、破損、板金屋根の剥がれなど屋根を気にしながら回りましたが、今日回った住宅ではすべてで異常無しという結果でホッとした次第です。(明日も回ります)

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佐渡 小さな台所改修/外も作業場!

台風18号の予測経路が、佐渡島も通るため心配しております。
明日から弊社も連休になるため、各現場の安全対策を施してからスタッフは仕事をあがりました。
「外も作業場!」
改修工事の範囲が1.8m*5.4mで、外から直接出入りできる部分は(最下段の写真の様に)80センチしかない状況で、現場を順調に進めるには工夫を要します。
今回は、外の露地状部分を近隣の方々にご理解頂き使わせて頂きました。
ご近所の皆様、本当にありがとうございます。
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写真は、無垢の床材(ヒノキ)を外で切断しようと準備した際のものです。(壁や天井に使うボード類も外で加工してから内部に設置しました)

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条件の厳しい場所で仕事をすると今後に役立ちますが、何よりも周辺住民の御理解が今回はたいへんありがたく思っています。

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佐渡 お知らせ/歴史建造物保全活用に関する連続フォーラムIN佐渡新穂

昼前まで雨風となりましたが、午後から晴れ間に戻った佐渡島です。
また稲穂が黄色く色づき、平野部はとても美しい実りの時期に入りました。
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新潟県建築士会の主催で、9月23日(土)に新穂で以下の催しが行われますので、広報協力させて頂きます。

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唐突ですが・・・この機会に、隆盛時の料亭の面影を残す「六丸亭」に足を運んでみませんか「^^」
前半は、古い地図を見ながら今の町中を散策する町ブラメニューを楽しめます。また会場近くには長三郎鮨もありますし催し後も楽しめますね(各自負担ですが…)「^^」

以下、詳細です。
「H29歴史建造物保全活用に関する連続フォーラム第1弾 IN佐渡新穂」
・日時:平成29年9月23日 13時受付開始(16時30分終了予定)
・会場:六丸亭(佐渡市新穂41)
    ※現地の左隣りは「シバヤマ理容」さん。
    ※佐渡汽船両津港ターミナルから車で約20分
・参加費:無料
・当日の流れ:古地図を持ってまち歩き→六丸亭調査結果の発表(ヘリマネ3期生による)→六丸亭見学→意見交換
・申し込み先:(一社)新潟県建築士
        TEL:025-378-5666
        FAX:025-285-2911
・その他
《駐車場に関しての注意》
 会場となる六丸亭は、信号のあるT字路近くにありますので路上駐車をせず、近くの新穂商工会や県地域振興局に駐車して下さい。
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地元の方たちを含め、多くの方が集い活用方法も話し合いする機会になればいいなと思います。

佐渡 小さな台所改修/剥がして確かめる

小雨が降り続いた本日の佐渡島です。
たまには雨もイイもんです。気分が穏やかになる気がします。
「剥がして確かめる」
 ”しなしなと古民家”の現場でもそうだったように、改修工事では内部解体をした後の判断と対応の機転が大事である、と私は思います。傷んでいる箇所に気づかない、見て見ぬふりをする、しっかり直さない…何て事を、しちゃいけません。

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 先日着手し始めたこの現場(3坪ほどの台所改修)でも、床・壁・天井材を剥がした後、私と大工スタッフ2名で傷みのチェックを行い、その場で対応策を協議しました。また傷んではいないものの、材料が細いとか、間隔が遠いといった事も、剥がして確かめられる大事なポイントです。

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 その結果この現場では、床下地が整然としておらずチグハグとしていたことや、新たに水平な床下地にするには手間がかかり過ぎると判断し、真新しい床下地にする事にしました。
 お客様が安心して頂ける様、家づくりの専門家として気づき、きちんと対応するのが私どもに仕事を授けてくれた方への使命です。

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