工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 考え直し・手直し

先日の「再生民家の催し」では、来場者の多くの方々が再生後の実物を見てくれたこともあり、古い家屋に対する意識も変わってくるように思います。

「古い・寒い・使い難い」といったマイナスイメージからくる「何も考えずに解体を選択する意識」が今回の催しで「考え直してみる」きっかけとなった、と思うためです。

それゆえに僕は、古い民家に住む人々の選択肢が増える事を、建築に携わる業界人としてではなく、人として嬉しく思っています。(選べる豊かさが有るという意味で)

昨今の佐渡でも、他の地方と同様「新築に走る又は走らせる傾向」が多く見受けられますが「はたしてそれだけで、良いのだろうか!?」と僕は常々考えています。といいますのも「モノを手直しして使い続ける事」は職人の技術力を活かし続ける事にもつながる、と考えているためで、壊すか新しくするかの2つの選択肢しかない状況は、多様なニーズにも対応できなくなる事を意味するからです。

けっして大袈裟な意味ではなく…建築の分野で選択肢の少ない状況は「佐渡らしい風景」まで壊す可能性が高まりますので、僕達は自分達の出来る範囲で”手直し”を続けて行こうと思っています。

※写真はウチの工場に保管している「佐渡の古材」。昔の職人の刻んだ仕口が、なんとなく安らかに微笑んでいる様な気がして写真を撮りました。