工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

番組のはしご:私考《桂離宮〜吉本隆明さんの講演》

昨年の正月休みもそうだった様に、年末年始の休みにテレビ番組を見る時は、僕なりの癖が有る事に気付きました。
暮れの大晦日から2日にかけては「お笑い系」3日以降は「特番系」…という見方をしているようです。僕はお笑い系も大好きで、最初のうちは面白くて立て続けに見ますが、だんだんウルサク聞こえはじめ飽きて来るのと同時にドキュメンタリーや経済番組に移行して自分の頭の中をひっかきまわしています。
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昨晩はNHKの総合で「桂離宮」の番組を見て、その後教育にチャンネルを変え「吉本隆明さんの講演」を見ました。

桂離宮に感じた良さを僕なりに書くとすれば「自然に溶け込める(自然と一体化できる)屋内空間の心地良さ」を建物の作り方に感じました。また月夜の桂離宮は、はじめて見ましたが、行燈の様にぼんやり浮かぶ障子が印象に残りました。
またプランやディテール的には「奥行きのある半屋外空間と肘掛け手すりの低さと開放感」がすごく良いと思いました。(自然と一体化する事を目的にして手すりの高さを低く抑えている点)


この建物の良さは「自然と一体化する」という考え方を貫いている点にある気がします。
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そんな事を頭に残しつつ「吉本隆明さんの講演」を聴いていると独特の表現方法に戸惑い、最初解らない事だらけの彼の言葉が、スーッと頭の中に入ってくるような気がしました。


「言葉とは?」「芸術とは?」「表現とは?」…


多くの観衆を前に83歳の彼が天を仰ぎながらしゃべり続ける姿も印象的でしたが、おそらく彼があの講演で表現しようとしたのは(人間誰もが持ち、現代で忘れ去られようとしてる)「言葉にならない言葉」つまりは「心動き、沈黙から湧き上がる音の表現」だった、と僕は思いました。

2つの番組を続けて見た事で「研ぎ澄まされた表現」も僕なりに考えさせられました。
また直接は何の繋がりもありませんが、残り少ない正月休みを利用して久しぶりに小林秀雄さんの評論を読み返してみようと思いました。