工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

新潟 ヘリマネ2/古民家を測る

昨日の変わりやすい荒天の中でしたが、新潟県ヘリテージマネージャー養成講座(以下、ヘリマネ)の第2回目が行われました。
会場は、旧・黒埼町にある新潟市文化財センター。
今回の講座では、前半を山崎先生と清水先生の講義、後半は敷地内に常設公開している移築民家の実測と考察という流れでした。

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新潟市文化財センター内の移築民家》

「柱がだんだん少なくなっていった民家の歴史」
前半の講義で山崎先生は、民家の見方と歴史について話をされました。
個人的に興味深かった話のポイントとしては…
「古い民家では、荷重を支える柱が太く数も多かったのが、時代が進むにつれ民家でも柱を少なくして部屋を広げる(つなげる)手法に移行してきた。」という点でした。
部屋自体が広々として使い勝手は良くなるものの、柱を抜くことにより構造的には無理をする形になってきた、という訳です。(その分梁材に大きな材料を使って行く事になりました。)

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「思い込みは禁物」
続いて清水先生の講義。
実測の手法と気を付ける点について、講義を受けました。
そして、これまでに古い建物を見たり実測した人ほど「思い込みは禁物」だと教えてくれました。例えば民家実測の場合、見慣れている人は「大体こんな感じだろうな」と思い込んでしまう傾向が強く、実際の建物の特徴や通り芯のズレなどを見落としてしまう可能性が高くなる、という事でした。
まず、全体をとらえてから「アレッ?」と思うところを念入りに調べる手法が良いようです。

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「実際に測ってみる」
後半に参加者は、各自が方眼紙を張った画板とメジャー、カメラを持ち実測してみました。
実測図の書き起こし方はいろいろ有りますが、私的には「全体の雰囲気をとらえてから、大きなフレームをつかみ、そこに細かい情報を描き入れて行く手法」が合っている気がしました。
また古い民家は当時の寸法基準で作られていますので、私たちも平素使用している尺貫法による採寸が分かりやすいし、実測時も見易いと思います。

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「考察」
実測したこの移築民家でも「思い込みは禁物ポイント」が有りました。
柱一本分だけ通り芯がずれている箇所が存在していました。
その理由は、ハッキリしませんが、増改築が行われた痕跡は見て取れました。
探偵ではないけれど「痕跡で推理する」のも、ヘリマネの大事な役目です。(ただしその際も、決して思い込まないのが大事です。)

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《私の実測した手描き図面/途中》
またヘリマネは、実測以外にもっと大事な役割が必要になってきます。
それは『その建物がもつ特徴、(保存して残すだけの)価値が有ると思う点を見つけ出す事』です。
その点につきましては、この講座が修了するまでにある程度理解を深めようと思います。
第3回目となる次回は、7月4日で十日町に出かけて来ます。

それでは、これからもよろしくお願いいたします。