工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

地道さと理念:職人のプライド

本日の≪骨太の家≫の現場でも、塗装と左官職人たちの地道な作業が休むことなく行われています。
 
一般的に建築現場では、工期短縮の為に簡素化された建材や工法もありますが、すべからく何でも簡素化するのは、僕としてはお客様へお勧めしたくありません。

たとえば「左官の壁」
中塗りが乾かないうちに上塗りをかけた方が、(上塗りの水分調整など気にせず施工できるため)仕上げ易いし、工期短縮に結びつきやすい・・という左官もいるようですが、それは左官職人のご都合である様に思います。
と言いますのも・・・下地の乾かないうちに漆喰などのパック(被覆)をしてしまう事で、下地に含まれている水分が抜けない可能性が高まり、お客様の生活が始まってから塗り壁が汗をかく事も多くなる。そうなれば一番困るのはお客様になってしまいます。

さて・・・僕らのかかわる現場では無垢材を多用し、できるだけ柱や梁材を見せるようにしています。
つまり無垢の木の呼吸により、生活や季節から出てくる湿気や乾燥という屋内環境の変化を、(除湿機や換気扇などの空調機器に頼り過ぎるのではなく)自然にコントロールしてゆく方法を選択しているのです。
施工中の水分を多く含んだ左官壁も、風通しの良い状況を維持するだけでなく、現場で見えている無垢の木々が調湿コントロールをしていると考えています。