佐渡 古い木造校舎の再活用に際し/傷み具合・腐食を確かめる
ありがたいことに、古い木造建築物の修繕に関し声掛け頂く機会が多い川上です「^^」>
「古い木造校舎/傷み具合・腐食を確かめる」
佐渡の南部に木造の古い分校があり、その校舎と体育館を再活用するための実施設計に、私どもも設計チームの一員として仕事しています。
今日は、大工スタッフが外壁の一部を剥がし、土台や柱の根元周りについての状況を調査しました。
古民家や中古住宅の改修工事(リノベーション)でこれまで培ってきた経験はとても役立ち、現場ではそれぞれの場所による腐食の原因の違いも大工スタッフと話し合いました。
『腐食のきっかけ(原因)の特定は大事!!』
腐食のきっかけ(原因)を特定しなければ、その場所を修繕してもまた腐食を繰り返すしかありませんので、そこが長持ちさせる改修工事の大事なポイントになります。
ちなみに今回多くの外壁で腐食の進んでいた場所では、雨樋の状況と敷地内排水の悪さ、外壁の納まりが原因であると考えています。
《雨樋》
木の多い場所に建つ建物の雨樋は、種子や枯葉に加え細かい土砂もすぐ溜まります。
それをそのままにしておくことでタテ樋の上部にある集水器がふさがり、樋も傷めつつ溢れやすくなった雨はタテ樋から外壁を伝う様になってしまいます。
雨樋の掃除を欠かすことなく行うか、詰まりやすい環境下での雨樋自体を取り外し(敷地内排水を改良した)地面の方で受け止めるようにするか、がこの問題を解決する手段だと思っています。
《敷地内排水の不良》
また敷地内排水が悪いと場所によっては池の様になり、相当の雨水が建物を攻めてくる事になります。
これはこの建物に限った事ではありません。
排水経路の確保と、詰まっている箇所の掃除などで解決を図る必要があると考えています。
《外壁の納まり》
外壁裾の水切り部分のディテールが甘く、雨水の侵入を容易にしている点が見受けられましたが、雨樋が役立無い状況になってから腐食のスピードを早めている気がします。
建築用語では雨に対する仕様の事を、雨仕舞(あまじまい)と言いますが、雨仕舞の良いディテールに変える事で問題は解決します。
・・・
上記の件、住まいの維持管理、これからの家づくりでも役立つ事だと思い、この場で掲載しました。
ご覧の方のお役に立てば幸いです「^^」/