佐渡 家づくりは曖昧を形にする仕事
佐渡島も肌寒くなってまいりました。
久しぶりにブログ書きます。
そしてかなり久しぶりなので,ボクが運営する川上工務店の考え方も短めに書いてみます♫
長く家づくりの仕事(設計・デザイン・施工監理)に関わってきた自分として,あらためて思うこと…。
ボクたちの仕事って…依頼者の曖昧さを形にしてゆく仕事…だと言っても過言ではないと思ってます。
お客様との打合せ時に…
快適な家!?
居心地良い家!?
使いやすい家!?
…って言葉を使うのは容易ですが,この聞こえの良い言葉を具体的な形にするのはとても難しいことなんです♪
それは…
アナタ(家族)にとって,快適って具体的にはどんなこと?
アナタ(家族)にとって,居心地良かったり、使いやすい家って具体的にはどんな感じ?
…が、仮に似た様な方向だとしても本当は人(家族)それぞれで変わってくるからなんです。
具体例をあげると…奥様の身長が違えば、使いやすいとか,見やすい高さが変わります。
しかし「奥様はみんな一律」,システムキッチンの高さも「いつも採用してるアノ商品で良しにしよう!」って設計自体を曖昧(手抜き)にしてたら違和感有るよね!!というのはご理解頂けると思います。
なのでボクは打合せを重ね,様々な曖昧を具体化することに計画と設計時は注力しています。
川上工務店は小さいけれど,計画段階からいろいろ考える工務店です。
佐渡 山に入り/地産材の活用を目指し!
今年の改修工事で使用する地産材を求め、過日林業関係者やオブザーバーと山に入りました。
先代から伝え聞いていた記憶をもとに、これは良さそうだ!と思う木があれば、その場で伐採担当者や製材担当者に相談確認できたことが私にとっては大きな収穫でした。
木の大きさの基本となる胸高(キョウコウ:胸の高さ)に印をつけ、清々しい気持ちで山を下りました。
コロナ禍と連鎖するかの様に、品薄や価格高騰が続いているウッドショック!
島内の工務店関係者も、地産の木材を採用し続けて行けば、島内の林業も持続してゆけます。
メールや電話1本で発注が済むのは確かに便利で楽ですが、その反面佐渡島の山の監理に必要な業種や人々を絶やすことにも繋がることをそのまま見過ごしては行けないと自覚しました。
私は、引き続き微力でも努力してまいります。
佐渡 暮らすということ/湊祭りから間もない泥上げ
5月5日、快晴の中4年ぶりに湊祭りが執り行われました。
そして5月7日、地元町内の側溝掃除(泥上げ)が小雨降る中行われました。
=暮らすということ=
これまではコロナ禍で地域や町内の住民同士の集う機会が極端に減り、住んで居るものの、暮らしている実感は薄れていたように思いました。
その分家族と過ごす時間は増えましたが…島で暮らすことは、居住地域の人々と協力し合う時間(過ごし方)もそれなりに必要です。
協力し合う時間の実例として、水田地域では用水路を維持・管理する江普請(えぶしん)や農道の維持管理をする道普請(みちぶしん)が例年行われています。
またコロナ禍ではその危機感からリモート・ワークも進んだことで、地方移住や田舎暮らしという言葉がそれなりに響きを持った時もありますが、これからどうなるかはわかりません。
地方、それも過疎の進んだ地域が移住者に期待するのは、住むだけでなく暮らして欲しい!という点である様に思います。地域を一緒に支えて行く仲間が増えて欲しいという事だと。
佐渡島に魅力を感じ、移住をお考えの方々には、ぜひ暮らして頂きたい!と願っています。
佐渡 何れにしましても/リフォーム相談
佐渡島は、田仕事が忙しい時期に差し掛かりました。
お陰様で忙しい日々を過ごしており、ブログ更新が稀になっていますがご了承ください。
=何れにしましても/リフォーム相談=
今年は、新築だけでなくリフォーム案件の相談が数多い実情です。
ここ数日でも複数件の打合せをしてきました。
相談を受ける私としては、セッション(打合せ)をしながらも絞り込みたい重要なポイントがあります。
それは「相談者が、リフォーム後の生活をどう考えているか!」という点です。
多くの相談者は、リフォーム時にやっておきたい事、したい事はアレコレと出てきますが、それらの要望は意外とバラバラだったり、あちらを立てればこちらが立たず…といったことも実は多い現状です。
私はそれらの要望を整理することから始め、リフォームのプランを考え始めますが、それでもすぐに「この相談者に最適なプランはこれだ!!」とはいかないものです。
なぜなら私が立てたプランは、計画をした私なりのイメージでしかなく、相談者の生活イメージにピタッ!とフィットするとは限りません。
そのため私が平面プランを立てた際に、相談者と一緒に平面プランを説明しながら、家の中を歩き回る様にしています。(その際は、腐朽箇所も双方確認しながら歩く様にしています)
この方法は、既存の状況が残っているリフォームだからこそ出来ることですし、広さや高さの感覚も理解しやすい方法だと私は考えています。
その後プランを修正し、生活しやすい計画を固めてから、工事実施に向けた次の段階に進めていきます。
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何れにしましても「リフォーム後の将来の生活」は、提案する私の生活ではなく、相談者の将来の生活です。
私もそれを描きやすくするよう打合せ時に努めますが、いつか私に相談したいとお考えの方は、おぼろげでも良いのでイメージをしておくことをお勧めします。
新潟 木を見て…
新潟市で開催された二つの催しに行きました。
一つ目は、木材の動向や仕入れも兼ねた大規模な木材展示会。
価格はウッドショック当時からは下がって来ているものの、それ以前の価格になる気配はありませんでした。モノによっては、まだ様子見の気配強!です。
会場ではユニークなモノに出会いました。
それは小型の薪ストーブで,しかも県内の三条市の小さな町工場で製作されているそうです。
製作者からこのストーブの仕組みなど熱心な説明を聞き,会社用に小さなタイプのモノを一つ購入。(使い始めたら,またこの場で紹介します)
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二つ目は,新潟産業振興センターで行われたリフォームフェア。
最新の住設機器の展示もさることながら…同業者が立ち並ぶ中で,一般来場者へどんな風にアプローチするのかな!という事と,立ち寄り易いブースってどんな風にしたら効果的?という二つの好奇心を持ってウロウロしました。
そこで感じた私なりの解釈や対応は,機会が来たら実践してみようと思います。
……………
オマケ
この日はサッカー・アルビレックス新潟のホームゲーム初回!会場周辺はとても賑わっていました。
佐渡 中古住宅の改修計画/いつもこうして進めてます⑴
まだ寒さ続く佐渡島ですが、冬の峠を越えた感がします。
またブログ更新がままならない状況でしたが、おかげさまで忙しい日々を過ごしています。
今回は、原点に戻り私がどんな感じで改修工事の計画を進めているかを書いてみます。
偉そうに述べるつもりはありませんが…私の仕事は、お客様のために快適な生活の場(空間)を描き、提案し、職人たちと共に作り上げることです。
その実現のためには、いくつかの過程を経てからでないと相談者のピントの合った提案も出来ませんので、以下に整理してみます。
※文中の写真は、(相談者のプライバシーを考慮して)いくつかの事例を混ぜて掲載しています。
佐渡島で改修工事をするかどうかでお悩みの方々の参考になれば幸いです。
= 中古住宅の改修計画を進めるにあたり⑴ =
1.現地の確認
改修計画をするために、(住人が居る居ないに関わらず)何度か現地を訪ねます。
それは現場実測や要望打合せという実務的なことだけでなく、周辺環境やその場の魅力、避けた方が良いことなどを自分なりに確かめることも含まれます。
この方向の眺めはいい感じだけれど、現状は窓も少なく塞ぎがちになっている…とかはよく有るケースですし、島暮らしをしてゆく中で外部とどう繋がるかも大事な要素になってきます。
また建設当時はこれまでの間取りで良くても、これから生活するお客様(その家の子孫や中古住宅の購入者)が改修後に快適な生活が出来るかどうかを周辺環境からも予測している感じが強いです。
2.現場実測「野帳作り」と現状把握
築50年以上経過した多くの中古住宅では、当時の図面が残っていることは稀です。そのため私は実測をし、フリーハンドで野帳を描き、その家を自分なりに理解するようにしています。
ありがたいことに昔の家の内部では真壁(柱が見える壁)が多く、尺貫法で大工さんが作っていたので、柱の位置もかなり分かりやすく、この通りを意識して柱を建てているな!とかが実測している時点で見えてくることも多いです。また間取りだけでなく、現状の天井高さも図り記入します。
余談ですが、野帳を作成する時に私は尺貫法で描くことが多いです。その理由としては、当時の大工職人がどういう寸法を使っていたかが明確になるためです。1尺という寸法は303ミリで換算できますが、現場の柱間隔は〇尺〇寸と区切りの良い尺貫法の寸法を使っていることが多いためです。
実測を済ませたら、次は現状把握をします。
実測平面図のコピーを用意し、そこに現場の状況を書き込んでゆく作業です。
中古住宅では、床がフワフワする、雨漏りした跡がある…という事例が多いですね。
その後、外観や各部屋の壁ごとの写真を撮り一区切りとなります。
しかし自分なりに腑に落ちない場合などは、床下や天井裏に入って現状を確かめることもあります。改修計画の段階でも「(普段)目に見えないところが大事」だと私は考えています。
そうしたいろいろな情報を盛り込んだ野帳を作ることは、改修計画を進め工事内容が具体的になった行く過程で「直さなければいけないこと」も明確になってきます。
また築80年以上の古民家の実測時には、野帳で断面を描くこともあります。
吹き抜けや高い天井とそこにつながる2階の部屋などのボリューム全体を把握することは、古い良さを残しつつ新しい生活に活かせる、と私は考えているためです。
長くなりましたので、今回はここまでにします。
次回は「野帳をもとに改修計画を練る!」をテーマにした記事を書く予定です。
家の改修や新築を考えている(むしろ悩んでいる)方には、随時相談に応じていますので下記メールアドレスまで連絡下さい。
2jam-takumi@e-sadonet.tv
では、引き続きよろしくお願いいたします。
有限会社 川上工務店 川上巧
佐渡 寒さと凍結にご注意を!!
冬のどんよりとした天候の続く佐渡島です。
今日からの2週間天気予報では、吹雪く上に氷点下(1/24~25)が続く予報も出ています。
私としては、マイナス6度は佐渡で初めて経験する気がします。
過ごす際の寒さ対策や水道の凍結予防を早めにすることをお勧めします。
ご覧になった方も多いかと思いますが…昨晩のクローズアップ現代(NHK総合19時半から)では「実は危ない!ニッポンの”寒すぎる”住まい」という内容が放送されました。
www.nhk.or.jpこの番組では、日本の家の多くが寒過ぎる上に、居住部とそれ以外の部屋(例:居間と廊下)の寒暖の差が激しいことで体がついてゆかず、脳梗塞や心筋梗塞などの引き金になっていることをデータを示し、その状況の改善を進める医師の活動も紹介されていました。
加えて寒さを防ぐには、寒さが侵入しやすい開口部(窓や掃き出し)を主に対策するための簡易な方法※にも触れていました。
※梱包養生に使用するプチプチシートやクッションテープ、出入口の隙間塞ぎ材など
またたまたま見た今朝の羽鳥慎一モーニングショー(テレビ朝日8時から)では、住まい手の健康維持や高騰する光熱費を抑えるため、住宅の気密・断熱化やその費用目安が紹介されていました。
この番組でも、寒さが侵入しやすい開口部の対策(2重サッシ)が紹介されていました。
私どもとしては、冬寒くない家づくり(家直し)をしてゆきます。
ご安全にお過ごしください!
STAY SAFE !
補足として2018年の厳冬後に書いた記事のリンクを下に示します。
また雪が積もる前に「水道メーター(量水器)の位置」を確認しておいて下さい。