工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 暴風警報後の見回り/点検報告

昨日、一昨日の暴風が嘘だったかのように穏やかに晴れた本日の佐渡島です。
ただ荒れた波は、まだ凪にはなっていません。(波浪注意報は残っています)

f:id:takumi-2jam:20170420195516j:plain
「点検報告/ご安心ください」
本日点検に周った家々は、すべて異常無しということで、私も安心しました。
見回りした物件の中には古い建物もありますので、屋根がいちばん心配でしたが雨漏りした様子も無かったです。(その家に向かう途中では、棟の瓦が外れていた家も見かけたので心配されました)

f:id:takumi-2jam:20170420195602j:plain
昨日の全国ニュースでは、両津地区にある加茂湖での暴風吹き荒れる様子が放送されたようで、SNSでもちょっとした話題になりました。私もそんな加茂湖の状況を写真に撮ろうと思いましたが、湖岸に打ち付けた波が横へ40mも吹き飛ぶような有様で近寄るのも危ないので止めておきました「^^」>

f:id:takumi-2jam:20170420195326j:plain

佐渡 小さな木造建築/窪みが建物の表情を付ける

連日暴風警報が発令された中ですが、この現場では、順調に作業が進められています。
外周り(外壁張り)の作業も、残りわずかになってきました。
「窪みが建物の表情を付ける」
この建物では、農作業の準備をするのが主な用途ですが、隅の部分に6畳ほどの窪みを設けています。(下の写真の左手の窪みです。)

f:id:takumi-2jam:20170419181917j:plain
この窪みは、薪ストーブ用の薪割りをしストック乾燥しておく場所にも使われるため、完全な室内とはせず、風通しも必要な場所になります。とはいえアプローチとなる道路側からこの窪みが丸見えになるのは避けたいですね!ということで(外壁と張る方向を変え)15ミリのスリットを設けた横張り壁にして、外観のアクセントにしました。

f:id:takumi-2jam:20170419182105j:plain
この現場は”小屋なんですが”設計段階からいろいろ工夫や提案を試みています。
それらの工夫・提案は、将来私たちが作り出す住宅でも活かして行けると思っています。
今回のこの仕事の私的テーマは「デザインされた小屋」でもありますので。

f:id:takumi-2jam:20170419183034j:plain



佐渡 暴風警報後の見回り点検/明日行います。

佐渡島では低気圧の通過に伴い暴風警報が発令され、昨日は約33m、今日は約28mを超える最大風速(いずれの数値も両津)が観測されました。
この時期2日続けての暴風警報と波浪警報は珍しいです。(昨日は関東地方で真夏日だったりしてますからね。)

f:id:takumi-2jam:20170419174657j:plain
《本日の両津湾の様子/両尾あたり》

「明日見回り点検します。」
佐渡里想人の会員のお宅へは、明日見回り点検を行うことにいたしました。
ご安心ください。
まずは暴風による建物被害の無いことを願っています。

f:id:takumi-2jam:20170419174858j:plain
暴風警報中の大川漁港》

佐渡 地産材の製材に立会い

過日伐採した杉の木の製材で、仕事の調整をしながら製材所に通っています。
子供っぽい表現とは思いますが…真直ぐな丸太の製材では役物の美しい木肌に喜び、曲(くせ)の有る丸太の製材では木取りの判断をする瞬間が実に楽しいです「^^」

f:id:takumi-2jam:20170414192632j:plain
《ベテランオペレーターSさん》
製材するSさんはベテランのオペレーターで、木取りの際行ういろいろな打ち合わせは為に成ります。亡父から聞き憶えている「木の癖を読む、節や腐り具合の判断、まずどこから平らな面を付けてゆくか」…といった様々な事をSさんと調整しつつ、私自身の提案も混ぜあと数日通う予定です。
ここで製材した木材は、弊社の工場の内外で自然乾燥することになります。
春風による自然乾燥といった所でしょうか「^^」>

f:id:takumi-2jam:20170414192742j:plain
《一区切り時の私/撮影:Sさん》

f:id:takumi-2jam:20170414193247j:plain
《製材前の様子》

 

佐渡 小さな木造建築/外壁で表情を出す

朝から春らしく晴れ渡った佐渡島
実に気分が良いものです。
「外壁で表情を出す」
現場では恵まれた晴れ間の中、外部作業がはかどり良く進んでいます。
外壁は、杉板の目板張りにウッドロングエコという仕様。(自然な仕上がりが私は好きです。)
外壁が張り進むと(これまでボリューム感だけだった建物に)豊かな表情が付く感じがします。目板による外壁の凹凸が効いています。

f:id:takumi-2jam:20170414184002j:plain
《建物が見下ろせる場所から》
この建物は、緑の多い場所で控えめに建っています。手前のキウイ棚もこの場所から見ると施工中の小屋と似合ってますね。

f:id:takumi-2jam:20170414184248j:plain

下の写真は今朝のもので、加茂湖畔に建つ牡蠣小屋と大佐渡の山々です。
晴れた早朝は、空が赤らみ大佐渡の山々や水面を淡く色づけます。

f:id:takumi-2jam:20170414185318j:plain




新潟 燃費半分で暮らせたらイイネ!

春に入り暖かくなった事で、ヒートショックという言葉を気に止める人もかなり少なくなった、と思います。ですが今日私は「燃費半分で暮らす家」と銘打った研修会に参加して来ました。

f:id:takumi-2jam:20170410181924j:plain

f:id:takumi-2jam:20170410182018j:plain

燃費半分で暮らす家とは、暖房エネルギーが半分で済むだけでなく、夏の冷房負荷も抑える家の事です。

話はちょっとそれますが、ブログをご覧の皆さんも《リッター〇〇キロ》という車のCMを見た事はあると思います。私は住宅でも同様に、燃費の良いものを作り続け様と思っています。

そこで大事な技術は「断熱と気密性の向上」です。

ブログですので専門的な事を長々と書きませんが、これまで私たちが取り組んできた断熱改修(断熱リノベーション)も意義は同じもので、お客様からたいへん喜んで頂きました。

f:id:takumi-2jam:20170410182233j:plain

家の燃費が向上する事は、室内環境の温度ムラを抑え住まい手の健康維持に貢献します。新築に限らず改修でも私はオススメします。きっとイイネ!と実感できますよ(^^)

新潟 丈夫な骨組みで家づくりを

 過日、新潟で行われたセミナーに参加してきました。
講師は、構造設計を専門にしている新潟出身の1級建築士で、構造計算の実務だけでなく木造の耐震や地盤について深く研究されている佐藤実氏。「楽しくわかる!木構造入門(エクスナレッジ刊)」といった著書も有ります。(右リンクは、Amazonのアドレスです。Amazon CAPTCHA)以下、やや専門的で長文になりますが、ご一読いただけたら幸いです。
 また今晩9時からのNHKスペシャルでは「大地震 あなたの家はどうなる? ~見えてきた”地盤リスク”~」という番組も放送され、熊本地震の被害を地盤の解析から建物被害を振り返りますので、これから家づくりをご検討される方にはご覧になる事をお勧めします。

www6.nhk.or.jp

f:id:takumi-2jam:20170408222029j:plain
《講演中の佐藤実氏》
 
 さて今回私は、佐藤氏が主宰する「構造塾」の一環で『熊本地震 現地解体調査 報告セミナー」に参加したわけですが、家づくりする立場の一人として身が引き締まり大変ためになる内容でした。(大地震の被災状況は悲惨ですが、それを調査し得た情報をもとにした方策は今後に役立つと思いセミナーに参加しました。)
 御存知のように熊本地震は、震度7が2回続き、建築関係者でも想定を超えた地震で、建物倒壊レベルでは東北大震災を超える地震でした。(東北大震災では、地震そのものによる倒壊よりも、津波による倒壊が被災規模を拡大させたためです。)彼は、その地震直後から現地に入り調査をし続け、木造住宅の倒壊のメカニズムを研究し続けています。

f:id:takumi-2jam:20170408230229j:plain
《倒壊物件の解体調査時の写真/セミナー時の資料より転載》この解体調査時には、多くの方が全国から集まりました。
「築年数の浅い木造住宅の倒壊」
木造住宅は、(壁量計算や四分割法、N値計算といった)簡易チェックをする事で、綿密な構造計算までしなくても良い事になっています。ところが熊本地震では簡易チェックをしていた築年数の浅い木造住宅でも倒壊に至りました。
倒壊の原因として考えられることは…
①一階の壁量が法の規定範囲程度だった。(更に大きくする必要が有った。)
②直下率(上下階の柱や壁が出来るだけ一致する割合)が低い建物だった。
③水平構面(二階床とその下の構造材の一体化)が弱かった。
・・・と佐藤氏は解説します。(当時報道された、軟弱地盤だけが倒壊の原因ではない点が重要です)

f:id:takumi-2jam:20170408230018j:plain
《築年数の浅い木造住宅の破断状況/セミナー時の資料より転載》数百年に一度の地震と言われていますが、最新の建築構造金物を使用していても写真の様な状況になりました。こうした原因も、先述の3点が倒壊の引き金となっていました。
地震被害の無い木造住宅が在った」
 一方あの地震の際にも、軽微な修繕や被害無しという木造住宅もありました。その住宅は、先述の築年数の浅い建物とほとんど変わり無い時期に建てられたものでした。
 結論を先に述べますと被害の無かった木造住宅は、通常の法範囲よりも更に強度を高めた作りをしていました。専門的になりますが、倒壊しなかった住宅は《耐震等級3》で、築年数の浅い倒壊住宅は《耐震等級1》でした。
 佐藤氏は「(地震時に)命は守るが住めない耐震等級1の住宅ではなく、命も財産も守り、なお住み続けることができる耐震等級3の住宅にした方が良い」と全国のセミナーで唱え続けています。
※耐震等級は3段階有り、等級1は現在の建築基準法の範囲内で、等級1の1.25倍が等級2、等級1の1.5倍が等級3という取扱いになっています。
「今後私どものつくる家について」
 まずこれまで以上に丈夫な新築木造住宅を作る様にします。具体的には、平面計画によりますが、現在の法基準の1.25倍から2倍にする事が望ましいと考えます。(その際は有償になりますが、構造設計の専門家による検討と構造計算も行います。)
弊社は、より安全で、より快適な家づくりに精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。