工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 節分に偲ぶ


昨年の春から入社した新人に、叱咤激励を繰り返す日々が今も続いている。
私が彼に熱く言うのは、技術的な話では無く、職人として家づくりに関わる心構えや段取り的な部分の方が多い。
生意気かもしれないが「プロの職人を目指すなら、まずちゃんとした人であれ」と言う事もある。
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前回ブログを書いた1月20日の晩、自宅に私宛の手紙が届いていた。
差出人は、私が駆け出しの頃に住宅の設計・管理で大変お世話になった方の奥様だった。
そして内容は「驚かせる様で大変申し訳無いけれど、主人が病から復帰する事無く1月半ばに他界した。」というものだった。
自分の頭の中が、一瞬真っ白になり、その後この現実を受け止めたくない若気な気持ちも生じた。
・・・・・
彼は、若い私を本気で怒鳴った。
ギョロとした目を更にむき出し、血走るほどだった。
「自己満足の図面を書くな」
「図面1本1本の線を、無責任に引くな」
「誰の為の設計か、施主に向き合え」
しかし社内の飲み会では、真反対の優しい人柄で、たくさん私を励ましてくれた。

今でも28年前のあの頃をすぐ思い出せる。
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彼が居たから、家づくりを続ける今の自分が在る、という気持ちは強い。
若い時とんでもなく怒られ、挫けそうになったにもかかわらず、感謝の気持ちしか浮かんでこない。
それほど家づくりは、職人たちと共に真摯に向かわねばならぬ仕事だと思う。

亡くなられた彼のご冥福を祈りつつ、私は今後とも家づくりに励もうと思う。