工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 古い町屋にて/調べつつ今後に活かそう

下り坂の天候の中、島内の某所で古い町屋の調査をしています。
 今回訪ねたのは、所有者が年に数度戻ってくる”空き家”でした。
現状は、雨漏りや隣家からの雨水侵入といった傷みのひどい部屋も有る建物ですが、雰囲気の良さげな場所、なるほど!と思う場所も有りました。
 今後の自分たちの家づくりやリノベーションで活かせそうな良い点は、(傷みの調査をしつつも)こうした古い家からも学べる気がしております。ただしこの時代の建物は、無断熱で寒いことこの上なしでした「^^」>

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「台所・食堂」
 写真は、この町屋の中庭に面した台所・食堂です。
片流れの天井は2100ミリぐらいから屋根勾配に合わせ高くなっていて、一部トップライトを設え光が差し込む工夫がしてあります。
床の素材は杉板突合せ。壁・天井はベニヤ仕上げでした。

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「2階階段周り」
 もうちょっとスッキリしていたらもっといい感じになっているかも、と思ったのがこの場所でした。しかし町屋の奥まった場所で採光の工夫をしている点は、参考になります。

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「2階の天井」
 以前見た小木の町屋でも矩計の低いこうした天井納まりを見た事はありますが、この物件では更に低い高さから緩くカーブを描くように天井は高くなっています。実際測ってみると天井高さは1600ミリから1860ミリとかなり低く、現代人であれば頭をぶつける様な高さですが、開口部と天井の取り合いがスッキリしている納め方は参考になりました。
「視点を変えて見る」
 雨漏りや傷み、腐食した場所の修理だけでなく、断熱・気密化を考えたらとても、とてもと後ずさりしそうな物件ですが、過去この場所で工夫して建てたり改造してきた点に視点を合わせると”空間的な良さ”は感じ取れると私は思っています。
《注》この物件は、売買物件ではありません。
 調査してみて思った事は、家を使い続けようと思うのであれば、使用のたびに家の傷みが無いかを確認した方が良いという点です。家の傷みも体と同じように、早期発見と早期対応が肝心です。