佐渡 能舞台にて/三代目の鏡板
鬼太鼓(おんでこ)の太鼓の音が、どこからか聞こえてくる佐渡島です。
小さな祭りが、今日も行われている様です。
無病息災、万年豊作、大漁祈願…祭りを通じ、人が自然と向き合って生きている感じが伝わってきます。
「三代目の鏡板」
縁あってこの能舞台に設置する事になった三代目の鏡板。
この鏡板は、もともと新潟能楽會という団体が昭和5年から所有していた物でした。
またこの鏡板は、屏風状になって折りたたみ出来る仕様になっていました。
実は最初、この鏡板を見せて頂いた時、私も驚きました。
贅沢にも桧の柾板(まさいた)を使った上に、昭和5年に描かれた岩絵具の渋い色合いで描かれた老松が素晴らしかったからです。
柾板を使用したのは、老松の絵の邪魔をしないおとなしい木目であると同時に、将来とも狂いの少ない材料を選択したためだ、と私は思いました。
「取付け」
まず屏風状になった物を1枚づつ板に分け、絵柄を揃えてパネル化し、そのパネルを初代の鏡板を傷つけないようにしながら取り付けて行きました。
柾目の板とはいえ、長年の経年変化で真直ぐの状態でない板もありましたが、微妙な隙間のバランスを現場でとりながら納めてゆきました。
そして仕上がり、ご覧の写真の様に無事完了しました。
関係者の皆様、お疲れ様でした。
私たちにこうした機会を授けて頂き、ありがとうございました。
『薪能のお知らせ』
佐渡島では例年春から演能が行われています。
今回三代目の鏡板に取り換えた諏訪神社でも「天領佐渡両津薪能」と銘打ち行われますので、このブログをご覧の皆様も幽玄の美をご鑑賞いただけたら幸いです。
※この舞台を使っての演能は、5月7日が初日です。
以下のリンクは、佐渡薪能の今年のスケジュールです。(ウェブ:佐渡にこいっちゃ より引用)
佐渡薪能・演能スケジュール2016(平成28年):佐渡にこいっちゃ-勝手に佐渡観光情報サイト