工務店 佐渡 takumi-2jamの日記

佐渡島で自然素材をふんだんに使った家づくりに取り組みながら、気ままに書き綴っています。

佐渡 破風板(はふいた)二題/秋彼岸の最中/その地域らしさを考慮

秋彼岸の中日を迎えた佐渡島は、午後から雨になりました。
畔などに咲いている彼岸花も美しく雨に濡れています。
また今日は菩提寺に立ち寄り、お墓参りをして来ました。

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『破風板の取り替え依頼/秋彼岸の最中』
さて…10年近く前に或る仕事をさせて頂いたお客様が、先日飛び込む様にして事務所に来られました。

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話をお聞きすると…自宅や土蔵棟の破風板を、彫刻したもので取り換えて欲しいという仕事の依頼でした。
しかも2年あまり前に他界した私の父が生前にこの方と「老朽化で傷みが進んだら、破風板の取り換えは川上さんでぜひお願いしたい」と話をしていた事がわかりました。

秋の彼岸の最中に、こうしたお話を頂きとてもありがたく思いました。(と同時に、不思議な事が有るものだと思いました。)

なお新設する破風板は、お客様の山にあるアテビを使うことになりました。
まずは時期を見て木の伐採に取り掛かり、製材と自然乾燥してから工場で加工を始めるつもりです。

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《彫刻した破風板の参考事例》

『破風板/その地域らしさを意識した仕事』
古民家を改修している現場でも、破風板を新しいものに取り換えました。
この建物の建っている地域では、近隣の古い住宅はみな「二重破風」という納め方をしています。
また破風板は、(上の写真の様に)軒先の木尻(こじり)から棟に向かって幅が広くなっている材料を使用しています。こうした材料は、樹木の根元の広がった部分も含め木取りして使う納め方です。ちなみに佐渡島では「根杢(ねもく)付きの破風板」と呼ぶことが多いです。

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今回、私どもは新築ではなく古民家を改修する仕事をしていますので、そうした周辺環境を考慮し、根杢付きの二重破風板を取り付ける事にしました。
なおこうした材料は、注文してもすぐ手元に届くことの無い材料です。そのため前もって製材所に相談をし、早めの注文と製材そして十分に乾燥させてから現場に納めた次第です。

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《現場近くに咲いていたサルスベリの花》